The Nomi Song / Klaus Nomi
日本でも、スネークマンショーのアルバムに収録され、パルコや石橋楽器のCMに起用され、80年代前半には 日本でも結構有名人となってしまったクラウス・ノミ。
その後83年にエイズであっけなくなくなってしまうわけですが、そんな彼がドイツからニューヨークに出てきた70年代後半は、パンク、ニューウエーブの流れが盛り上がり、人種の坩堝でもあるNYでは、世界から集まった”表現者“のため”舞台“が用意され、イギリスとは違ったダイバーシテイのなんでもありの状況だったようです。
この映画では、そんなパンク、ニューウエーブのメッカであったマックス・カンサス・シテイなどのライブハウスとゲイカルチャーとリンクしたクラブの二つの流れとイタリアのデザイナー フィオルッチの未来的、宇宙的ファッションが混沌と交差する中、プレスリーとマリア・カラスに影響うけ、ドイツで正規な音楽教育を受けた彼のアメリカンポップスとオペラが混合された音楽、ロボット的というよりパントマイムに着想を得たような振り付けと宇宙服歌舞伎が混ぜ合わさったようなコスチュ―ムと「すべてが作られ、すべてが間違っていた」彼の瞬間の輝きが描かれています。
ダダイスト トリスタン・ツラァの舞台衣装に着想をえたコスチュ―ムに身を包んだデビット・ボウイとの共演なども観ることができるわけですが、僕は 当時から彼のことを新しく登場してきた若者とは違う“古くささ”を感じていましたが、彼にとって ニューヨークやニューウエーブは、その悲しみを秘めた異形さを表現できる場であったということが この映画よくわかりました。
エンド・ロールで出てくる リチャード・ヘルのコメントを読んで、僕のクラウス・ノミへの見方が、奇異で尖がったものから愛おしさを感じる対象に代わるのを感じました。
「This is the ultimate message of the new wave If you just amass the courage that is necessary,You can completely invent yourself .You can be your own hero. このドキュメンタリーはニュー・ウエーブの究極のメッセージです。必要な勇気を集めれば、完全に自分を発明することができます。自分のヒーローになれるのです。Richard Hell/リチャード・ヘル」
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