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限られた環境で勉強会を自動化して見えてきたこと

今回は、ありあわせのツールでも業務改善はできるということと、具体的にどう取り組んで何を学んだかについてお話したいと思います。

* 職場が業務改善のツールを入れてくれなくて困っている
* 何か新しいことに取り組むときにどうすればいいか分からない
* 専門外の仕事なのに課題を押し付けられて困っている

という方向けに書いておりますので、何かしらのヒントになれば幸いです。

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自己紹介は以下の通りです。いろんなRPAツールを使ったことはありますが、広く浅くという感じですのでまだまだ修行中の身です。
今回のお話は前職の診療放射線技師で経験したお話になります。

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お話の構成は以下のとおりです。1番目から3番目で実際に経験した内容をお話して、最後に得られた知見について皆様にシェアさせていただきます。

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1.専門外の勉強会を任された

では、経緯からお話しいたします。
前職の病院ではアナログな業務が多く、自己研鑽する時間もない状態でした。しかし、院長より何かしら勉強会を開催するよう要請があり、臨床検査技師の方から「たまいさん、心電図の勉強会を開催してよ。」と言われたことがきっかけです。
しかし、本来検査ができるのは臨床検査技師で、放射線技師の私が開催する筋合いはないため、その時は慌てて断りました。

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その後、色々ありまして「ちょうどいい機会なのでこの課題を解決してみよう」と考えを切り替えて引き受けました。
しかし心電図の知識が豊富にあるわけではないですし、勉強会への参加経験はないので、何をすればいいか全くわからない状態でした。

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2.具体的には何をしたか

何事もそうですが、ゼロから何かを生み出すのは大変です。成功事例があるなら情報を収集して自分流にアレンジしたほうが楽ちんです。
アイデアが思い浮かばないなら、とにかく情報収集するに限ります。

ヒアリングした結果ですが…結局、誰でもできる内容でした。他人と折衝するのが面倒とか自分に仕事が降りかかるのがイヤという理由でやりたがらないようです。使用できるリソースも「メールソフト」「Excel」「人材」のみです。

この情報収集で、ありあわせのリソースで臨床検査技師が勉強会を自発的に開催する仕組みを作る、ということが今回私がやるべきプロジェクトだと判明しました。

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理想の形としては、仕事を各担当者ごとに分けて負担を減らしていく方向で考えていくことにしました。負担を減らすことで「やりたくない仕事」から「これぐらいならやってもいいかなという仕事」にハードルを下げ、気分をプラスの方向にもっていきやすい体制に変えることができます。

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次はタスクの種類について考えることにしました。ある程度書き出してみたものの、やはり詳細までは把握できません。実際に動いてみないと分からないため、第1回~第3回の勉強会は私が率先して動いてみることで情報収集することにしました。

情報収集は、まず第1回勉強会の開催に向けて行動した際に発生した成果物や指摘を受けた事柄などをとにかく何でも記録しました。また、第3回までの勉強会で拾いきれなかった項目を情報収集することで、勉強会開催のための段取りをまとめた虎の巻を作成してきました。

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虎の巻の詳細については以下の通りです。

勉強会終了後に次回開催日が決まるので、赤枠で囲んだセルに日付を入れると開催までのTo Do List付きのスケジュールが作成されます。

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また、別シートで自動でメールの本文を作成するよう関数を組みました。

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ちなみに使用したExcel関数やExcelの機能は以下の通りです。ある程度Excelの基本を知っている方なら、調べながら作れる内容だと思います。

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タスクについての洗出し段取りのまとめが終わったら、次は負担を減らすために担当者ごとに仕事の割り振りです。
おそらく一番思い通りに進まない部分だと思いましたが、結局何とかなりました。

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講師の確保については、前々から循環器の医師が自己研鑽を臨床検査技師に促していたので、講師候補の案を3つ用意して決めていただくこととしました。これに関しては循環器の医師より協力を取り付けることが出来ました。

資料準備係の確保については、提出された所見を受け取り勉強用資料を準備してくれる担当者を検査技師の中からお願いしました。そもそもの主役は臨床検査技師のメンバーでしたので、こちらもすんなり決まりました。

勉強会の幹事の交代については、他職種でも実施可能であるという開催実績と誰でもマニュアル通りに動けば成功する虎の巻を準備して、公の場で交代を要求することで簡単に交代できました。

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3.結局どうなったか

こうして、理想のシフトの形を作ることが出来ました。問題は臨床検査技師のメンバーが勉強会を自発的に継続してくれるかどうか…これで私の今回のプロジェクトが成功したかどうかが判明します。

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結果、勉強会は1年半続きました。そのほかに、看護師の参加があったり別の施設でも開催されたり、勉強会も発展していきました。

今回の事例を通して得た学びは、

気持ちをプラスに切り替えて、すべきことが明確になれば人は動く

ということだと思います。

4.見えてきたことは何か

今回の事例で見えてきたことについてアウトプットしていきます。

結論からいえば、「ありあわせのツールで仕事の自動化はできる!」
ただし、観察力やる気アイデア次第!ということが分かりました。

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では、観察力やる気アイデアって具体的に何を指すか、は以下のスライドでご説明します。

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やはり困っていないと人は動きません。
上層部と現場の思惑に差異があるまま勝手に動けば、「余計なことをするな」とストップがかかります。
逆に、上層部が困っていることと現場で困っていることの思惑が合致すればスムーズに動くことが可能です。そのためにもチャンスを逃さないための情報収集、またはチャンスを作るための情報提供が必要であると感じました。

次に困難に直面したときは気持ちを前向きに切り替えることです。これはプラス思考であることはいいパフォーマンスにつながるからです。
気持ちを切り替える手法の一例としてあげたいのが「それはちょうどいい」というキーワードです。マイナスな事柄のあとにこのキーワードを続けると、プラスに変換するための事柄を探したくなります。
この方法はちょっと強制的な形にはなりますが、他にも気持ちを切り替える方法はいろいろありますので、自分に合った方法を模索することが大切かと思います。

最後に、まずは自分から出すことです。
何でも他人任せにせず、知恵を出したり、動いて汗を出したり…実績が出たら予算も出してもらえるよう、自分から動くことが大切です。
また、「アイデアが出る」というのは、ある程度経験や知識がないとひらめかないものです。自分から行動して学びを得る、ということは本当に大切だと思います。

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今回の事例でいうと、上層部の思惑に近い「Drからの要請」があったので、成功率が高いと思っていました。自分の仕事もありましたが気持ちをプラスに切り替え、自分から情報収集・実施するための行動を起こして今回の成功にこぎつけた、という形です。

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今回のイベントでさらに学びましたので共有!

勉強会後に、学んだことの気づきをTwitterにてアウトプットしてくださった方がいました!そこで裏話などもお話させていただいたのですが、私も「なるほどな!」と気づきがありましたので、共有いたします。

実は勉強会が継続した理由は別にあったりもします。
はっきりと言ってしまうと「上長からの圧」です。とはいえ、やんわりとしたもので、「勉強会は開催しないの?」とか会議の席でちょっと指摘したり…という程度。でも関係している人間にとっては、上長から見られているという意識づけにはなっていたようです。
そのほかに、勉強会が終わった後、院長主導で「次の勉強会は一か月後のこの日にしましょう。」と具体的な提案が出てきました。これも続けざるを得ない一因だったと思います。
また別の上長からは、「全体会議の席で報告をするから、勉強会の内容をレポートをまとめてほしい」と依頼がありました。これも意識づけには効果的だったと思います。

以上のことから、現場側の人間が頑張るだけではなく、上長側も目をかけて必要に応じて声をかける必要もある、ひいては、上長にも協力をいただいて継続する仕組みをつくることが大切なのだな…と気づきました。


※ おまけ ※ 以下は読まなくても大丈夫です💦今後の課題のお話

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今後の課題についてですが、私にとっては仕事が自動化できましたが臨床検査技師の仕事が減ったわけではないということが残念でした。
上層部からは勉強会を開催して自己研鑽するように…と意識啓発を図っていたようなのですが、その前に皆業務量が多すぎて疲弊している状態でした。このような状態で勉強会などのタスクを増やすことができないので、通常業務の負担を減らす業務改善について考えたいところでした。

業務改善についてですが、アナログな手段で業務を行っている現状を何とかしないとどうにもならない状態でした。しかし上層部の認識は人材でカバーできている状態だから必要ないという雰囲気でした。
デジタル化の必要性については、上層部には計画的に外堀を埋めていくように必要性を説いていく必要があると感じました。

また、デジタル化についての必要性を語るときも注意が必要であると感じました。病院はなかなかデジタル化が進まないので、かなり年代物のシステムで動いている状態だったりします。現状のままだとデータの移行が出来る人材や手段があるかどうか…そういったリスクを確認したうえで取り組む必要があります。
情報システム担当が適切に現状把握をして上申しないと、あとあと余分な出費を支払う形になりかねません。


以上、皆様の学びの一助なれば幸いです。

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