リハビリさんだから心に寄り添える
入院している子どもたちって、我慢上手なお子さんが多い印象です。
(もちろん全員ではないのだけれど。)
そうなるのも当然で、入院していると治療や検査、リハビリなどで決して楽ではない経験を幾度となく繰り返します。
我慢しないと、入院生活って送れないんですよね。
これは大人が悪いとか、病院が悪いとか、そういう次元の話じゃなくて、生きるか死ぬかの選択の場においては、切っても切り離せないものなんです。
(諦めるなよと言われるかもだけど、実際そうだから。誰1人として子どもに我慢させたくないからね。)
変えられないところをどう足掻いても結果は同じ。
なのであれば、変えられるところを変えていく。
我慢しないといけない場面は、命を繋ぐためには無くせない。
ならば、どこかで解放できる時間を作ったり、少しでもその子が感情に従える時間を作ったりすることが、私たち医療者のできる事の1つではないか、と思って日々子どもたちと接しています。
その形に正解はないし、職種によって手段も様々。
だからこそいいんです。
多方向からのアプローチができるから。
それでね、なんでこれを記そうと思ったかを少し話します。
理由は2つ。
1つ目は、こういう子どもたちもいるよっていうのを知って欲しかったから。
入院している子どもって、本当に子どもらしくないというか、なんというか…。
やけに大人びているんですよね。
特に長期になればなるほど。
もーびっくりしちゃうくらいに。
赤ちゃんとかだと、まだまだ子どもらしいんだけど、入退院を繰り返したり、ずっと病院にいたりする子は、物心つくあたりから、もーーーー本当に、「大人子ども」。
物分かりが良すぎるの。
それでも、みんな笑っているし、幸せな瞬間だってある。
病院にいるからって可哀想とか、大変だねとか。
そういう事じゃなくて、みんなと同じなの。
病院が、家とは別の居場所になっている子だっているんだよ。
これを読んでくれている人たちにも知って欲しかったんです。
(少なくとも、私は現場に出ないとわからなかったから。この温度感を少しでも伝えたかった。)
2つ目は、今担当している子とのエピソードから。
その子は怪我で2週間くらい入院している子。
(うちの病院ではかなり短期間の入院)
その子が、リハビリ終わる時に泣きそうになっていて。少し話をしたいなあって思って話してたら、静かに泣き始めたんですよね。
「退院したいけど、退院した後の生活が不安」
「今、大変」
理由は上記だった。
そうだよね。不安だよね。
私はそうとしか答えられなかったけれど、
リハビリの時間に、泣いてくれて良かったと思った。
ずーーっと我慢してたんだもの。
大人たちに囲まれて、面会がない日は1日中1人で。
そりゃあさ、不安にもなるよね。
我慢するよね。
本当によく頑張ってるよね。
その子にとって、
不安を吐き出せる時間になれたことが何より嬉しかった。
リハビリで出来ることが増えることも、もちろん嬉しい。
でもね、それ以上に、私自身が誰かにとっての安心できる場所になれたことが心から嬉しかったんです。
これからも一緒に頑張ろうね。
そして、早くお家に帰ろうね。
リハビリさんでよかった。
ありがとう。
皆さん、今日も1日お疲れさまでした🍀