教員0日目(0年目)明日から先生。不安で心が押しつぶされそうな朝
日本が、世界が、コロナで恐怖している中、
僕は明日から公立小学校の教員になる。
コロナでいつ学校が休校になるかわからないのような状況だが、この事実はどうやら変わらないみたいだ。
これまでの僕は明日からの日々のために学び、挑戦してきた。
子どもの成長を見守る喜びを知った。挫折の味も知った。教える怖さを知った。挑戦し続ける覚悟はある。
だからこそ思う。
怖い。不安だ。逃げ出したい。
希望や期待なんて抱けないよ。
希望や期待を抱けるほど僕に力はない。
僕は知らないことが多過ぎる。
教員は授業だけが仕事ではない。
時間割を組み、行事を企画し、クラスという40人の集団をコミュニティとして成立させ、その上で一人一人が成長するように寄り添う。保護者と関係を築き、時に巻き込みながら、地域の人と他の先生と協力しながら、教育活動を設計・実行する。たくさんの事務作業を処理しながら、限られた時間で授業準備を行う。更に、今回コロナで必要性が明確になったことだが、直接子どもと関われない中でも、子どもが自発的に学びを育み、探求するように働きかけなければならない。
実践経験を積むことなく、その上、研修期間もなく、現場に出る。学校現場で「先生」として、子どもと保護者の前に立つ。
大学では教えてくれないことで、学校現場は溢れている。
その上、コロナの関係で、学校現場もどうなるのかわからない。先輩教員も教授も、誰もどうすればいいかわかっていない。
そんな状況でも、こんな不安定な状況だからこそ、子どもと保護者から見たら、先生は先生で、一年目なんて関係ない。こちらの事情なんか関係ない。
当たり前だ、子どもにとってこの一年はかけがえのない一年なのだから。
その責任は重い。あまりにも重過ぎる。
無力な自分が怖い。
無知な自分が怖い。
自分が無力で無知だということを知り、これまでの日々が無駄だったんじゃないかと思い、絶望している自分を想像するのが怖い。
なまじたくさんの授業実践を知り、理想ばかり高くなってしまった。
自分の身の丈に合わないことは百も承知。だけど、目指さずにはいられない。
覚悟はできている。
挑戦し続ける覚悟はある。
追い求めたいと思う自分がいる。
でも、その覚悟さえ、絶望は簡単にへし折ってしまうのではないか、自分という存在を自分じゃないものに変えてしまうんじゃないかと思うと、苦しくて耐えられない。
でも明日は来る。
遂に始まる。
不安で一杯だけど、進むしかない。
「なんとかするさ。」
そう、自分に言い聞かせて。