小説を書くときに意識したこと
おはようございます。初めて長い小説を書いた体験を生かすために、振り返りをしっかりしていきます。
長い小説を書いてみようかなって思っている人に少しでも役立てられたら幸いです。
小説を書く際に意識したことは、何個かあります。その中でも特に、強く意識して良かったと思えたのが、登場人物の詳細を丹念に練り上げたことです。
今回書いた小説で言えば、主人公の島勘九郎、ヒロインの東條佐保、親友の亀田豊、父親の島八郎、敵役の鮫岡竜二について、それぞれ深掘りして創り上げていきました。
創り上げる方法として、実際の知り合いと映画などで見た登場人物を掛け合わせていきました。主人公の島勘九郎であれば、実際の親友であるワタルと、梨泰院クラスのパクセロイを掛け合わせた性格をベースとしました。パクセロイは大柄で口数は少ないけど、仲間への優しさや、揺るがぬ信念を持っているキャラクターです。これが柔道やアメフトに興じる勘九郎のイメージピッタリ合ったのです。一方でただ寡黙なだけでは無く、話をするとハキハキと明るいところは親友のワタルを参考にしました。
こうやって設定することで、物語の展開に困った時に、ワタルならここで、こう言うよな、セロイならこの場面でこう行動するよなとイメージが湧き、自然と物語を形成していくことができました。
現実の人間を参考にしているのでリアリティのある想像ができたし、空想の人物も参考にしているので、現実では出会ったことのないような展開も想像しやすかったです。
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登場人物の設定の次に強く意識したのが、クライマックスをどうするか、でした。
ここは個人差があると思いますが、僕はクライマックスが大盛り上がりする物語が好きなので、クライマックスでどう盛り上げたいかを先に考えました。
クライマックスを盛り上げるために、意識して取り組んだことが、主人公を虐め倒すことです。
あっさり敵を倒す物語より、何度も苦労して、なんとか倒すほうが胸アツだからです。
だから主人公を虐め倒すための存在として、敵役には悪を貫いてもらい、ヒロインには愛を貫いてもらいました。
敵役が憎ければ憎いほど、倒した時の爽快感が増します。
ヒロインの愛が大きければ大きい程、愛が報われなかった時の絶望感が増します。
だから、敵役の鮫岡にはとことん悪いセリフや態度を取らせました。
ヒロインの佐保とは愛に満ちた会話やデートのシーンを沢山盛り込みました。
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また、物語を通じて主要人物がどう成長するかも、意識して書いた部分です。
今回の小説では、自分の存在って何なのかが不透明だった親友やヒロインが主人公と触れ合う事で、自分の存在を認められるようになる、という成長を遂げます。一方で、主人公も親友やヒロインと過ごす事で、憎しみで行動するのではなく、愛によって行動できるように成長していきます。
今書いていて再認識しましたが、この部分は僕がこの小説で読む人に伝えたいことの凝縮ですね。
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そして、最後に意識したのは、物語に立体感を持たせる事です。立体感を持たせるために、街の詳細を書いたり、季節を感じさせる文章を導入したり、文と文の間に植物を生やしてみたりしてみました。また大筋のストーリーとは関係のないような場面も作ってみました。
この作業が一番楽しくて、一番難しかったです。なんとなくそれっぽくはなるんだけど、絶対もっと上手く書けるとも思わされました。
まだまだ上手く書ける余地が残っているってことですね。
まとめます。
僕が初めて長い小説を書く際に意識したことは、
・登場人物の詳細
・クライマックス
・登場人物の成長
・物語の立体感
でした。全て基本中の基本なのでしょうが、これらを意識したおかげで、楽しく執筆できました。書き切れたのが大きいです。書き切れたことが自信になって、また書きたいってなるからです。
僕のこの体験が誰かの役に立ちますように。
終わり