映画『傲慢と善良』は原作と肩を並べる名作
八月くらいから、過ごしやすい気温になることをずっと楽しみにしていました。
それよりずっと前から、『傲慢と善良』の映画を観ることを楽しみにしていました。
そしてこの前、映画の傲慢と善良観てきました。
と、とんでもなく面白かったです。
原作である小説は僕の中で今でも本ランキングNo.1の超大作です。
感想記事も書いちゃうくらいお気に入りです。
原作が面白ければ面白い程、映像化のハードルは上がります。
その高いハードルを見事に超えました。
映画になっても面白いんかいって嬉しい気持ちになりました。
映画版、傲慢と善良の何が良かったかって、ちゃんと
映像でしか表現できないことに注力していた
って所です。
原作の醍醐味は主人公の一人である真実(まみ)が、なぜ失踪してしまったのかを、もう一人の主人公である架が突き止めていく部分です。
映画では、この部分を大体に短縮していました。
本ならそれぞれの関係者への聞き込みは読み応えを増してくれますが、映像では単調な繰り返しになってしまう。
だからあえて失踪を突き止めていく部分を省いた。
そのかわりに映像にしか表現できないことを増やした。
特に、善良であるが故に上手くいかない真実の葛藤の様子を長い時間かけて映し出していました。
そうすることで真実が少しずつ変わっていく姿が理解しやすくなっていました。
腐りかけていた樹から花が咲いたシーンは感動ものです。(あと蜜柑のキーホルダーが映る所のシーンも良いんですよ)
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映画、傲慢と善良を観て、映像にすることでより伝わることと、文字だからこそ伝えられることがあることを知れました。
そして、その両方、映像でも文字でも最上級の面白さを提供してくれた、『傲慢と善良』
これは令和を代表する名作になったのではないでしょうか。
スタンディングでブラボーをまた送ります。
ブラボー