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摂食障害~10代のこと

小さい頃から体が大きな子どもで常に年齢よりも二つ三つ上に見られ
小学校6年生の時にはすでに身長165㎝あった大柄な私
骨太でがっしりした体型でほぼ標準体重
スリムとは言えないけど、太ってるというほどでもなかった
10代前半は体型のことなど全く気にしていなかった

変わり始めたのは高校生になった頃からだと思う
育った環境のせいか、自分に全く自信が持てずにいた私
中学校までとは違い、高校は私服だったため
みんなの服装が本当にきらきらと可愛く
しかもスタイルよく見えてとてもまぶしかった
私はというと、通学のため買ったニチイ(!)やダイエーの広告の品
それまでは服なんて買ってもらう余裕がなかったから
親戚のおさがりばかりで、自分で選んだことなどなかったのだ
なので、当然センスなんか全くないからイモねえちゃん丸出し
ますます自信を失い、コンプレックスの塊になってゆく
クラスにもなじめず何となく浮いた存在に…

高2の頃
部活(文化部)の部室でお菓子パーティーした時
『痩せたいけど食べたいからダイエット出来ない』
『ダイエット出来る人ってすごいと思うな~』
なんて他愛もない話をしていた時
何を思ったのか、ふと
『私、ダイエットしてるから今日は少しだけにしておこうかな』
と、そんな心にもないことを言ってしまったのだ
注目されたかったのかなぁ~
『すごいね、私にはムリ~ 頑張ってね!!』
と励まされ、期待に背くことのできない私は
(そもそも誰も期待などしてなかっただろうが)
引くに引けなくなってしまった
直接の引き金はたぶんこの日の出来事だと思う

それからの私は考えてもいなかったダイエットを開始した
運動が苦手で大嫌いだったので、食事制限のみで
真面目が服着て歩いてると言われてた私は
本当に真面目に真剣に取り組んだ
2週間ほどお菓子をやめただけでストンと数㎏落ちた

『tamageniちゃん、すごーい!!』
周囲からめちゃ驚かれ褒められ、一気に注目を浴びるようになった
初めて自分を認められた気持ちになって本当に嬉しかった
それからますます食事制限に力を入れるようになった
それはやはりツラくはあったけれど
家での日々の辛さに比べたら、結果が出る分、全く苦にはならなかった
生まれ持った顔かたちや親や周りのことすべて
自分の力ではどうしようもないことばかりだったけれど
体重だけは自分の努力次第でコントロールできる…
その嬉しさも相まって、どんどん闇へと落ちていった

乗るたびに減ってゆく数字を見ることはこの上ない快感だった
適当なところでやめようと思ってはいたけど
食事を元に戻せばすぐに数㎏リバウンドするだろうから
あと少しだけ落して終わりにしよう…
いわゆる、”保険を掛ける”的なヤツだ
でも保険分痩せても、それが今の数字になった時点でそこから増えることに
とてつもない恐怖を感じるようになり、どうしてもやめられなくなった
そのうち来るべきものが来なくなり
動悸や息切れ、めまい、低体温で寒さの耐性がなくなり…
でもどういう訳か元気で、体育などちゃんと授業には出ていた
その頃にはすご~いと言っていた級友たちもどんどん離れていったけど
もはやそんなことはどうでもよく、いかにしてこの体重をキープするか
いや、どうしたらもっと減らせるか
そのことばかり考えていた

高2の2月頃、入院した
どういう訳か、その時の経緯が今もどうしても思い出せない
おそらくは母親に無理やり病院に連れて行かれ
そのまま入院となったんだろうなと考えられはするが…
で、1か月くらいで病院代が払えない母親が
引き留める病院側を振り切って無断退院を決行した
高3の4月、どうにか進級出来ていた学校に戻ったものの
周囲の目や勉強についていけないことが苦しくて
でも学校に行きたくないなんて口が裂けても言えない私は
入院していた病院から処方されていた薬(何の薬かは不明)を
発作的に全部飲み意識朦朧となって別の病院に運ばれて
また入院生活に逆戻り
でも、周囲の目も勉強へのストレスもない
何よりも家庭内のプレッシャーを感じなくて済む病院での生活は
本当に安心できるものだった
(食事だけは苦痛で、いつも目を盗んではこっそり捨てていたけど)
今回は借金していた親類から、こどもが病気で入院したからということで
重ねて借りることが出来たようで、入院生活は6月頃まで続いた
その後はひそかに望んでいた大学進学を諦め
(貧乏だったので進学なんてそもそも無理な話だったんだけど)
就職することで勉強もそこそこでよくなり
出席日数もかろうじてクリアして卒業できた

その後過食に転じて激太りしたり、拒食に戻ったりを繰り返しながら
大人になるにつれ少しずつ落ち着いていった
が、実は今でも摂食障害の残党が私の中に住んでいて
【体重という数字】に対する強烈なこだわりが残っていて
低カロリー食や過度な糖質制限で
ちゃんとした食生活を送れないでいる・・・

未だに【太りたくない】呪縛から逃れられずにいる私
でも、そんな自分を許しているから
適当に上手く付き合っていこうと思っている

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