11月3日 スパワールド・立川文庫続き読み後記

長い一日になると思っていた。
スパワールドさんの落語会での師匠の出番を脇で聞き勉強させていただきながら前説等のお手伝いをして、その合間に稽古を師匠に観ていただいて、合間に「お笑い灼熱ロウリュウ」でのお仕事もある。
その後立川文庫続き読みの会場である青山ビルさんに入らせていただいて、準備を整えて本番に望む、ということになっていたからだ。

しかし今日のような日はむしろ短く、めくるめく状況に対応をしている間に気が付いたら時間が過ぎ、今は後記を書いている。
予想される密度と質量によって一日の長さを思っていたが、一日を長くさせるのはむしろその希薄さかもしれない。
昔一日に1、2人しかお客さんが来ない某プロ野球球団のファンショップに潜り込んでアルバイトをしていたことがあるが、その質量が希薄な時間によって気が狂いそうになったことがある。

このような高密度、高質量な日々を過ごさせていただけるというのは嬉しいことだ。気が狂いそうにならない。

スパワールドでの師匠の講談は「般若寺の焼き討ち」と「ルイ・アームストロング」。
「ルイ・アームストロング」はとてもいい話だった。
彼くらいのスターになると、人生も寓話じみてくるんだろうと思う。数奇だ。
いろんな数奇さ、発掘していこう、という気持ち。数奇に対する興味はとても強い。

「お笑い灼熱ロウリュウサービス」は簡単に言うとサウナの中で芸人たちが喋って、サウナ石に水をぶっかけて発生した水蒸気をお客様にうちわやタオルで浴びせかけて汗をかいてもらう。というスパワールドの企画だ。ちょっとナンセンスさすらある。
お客様の前に立つ為に必要とされる精神と頭脳の鋭敏さを真っ向から削ってくる暑さとの闘い。わかりやすく闘い気分を味わえるので、結構テンションは上がる。
頭の中では筋肉少女帯の「戦え何を人生を」のメロディが流れる。

今日は水や茶を買っていくのを忘れていたのでちょっとフラフラ気味であったが健康体で終えることができた。

その後立川文庫続き読みの会場へと移動をして準備。
ロウリュウのせいで汗腺がバカになっており準備中の発汗が夥しい。
準備を終えて師匠を迎える。
今日はテレビ局の取材も入っていたのだった。
なんだかビッグイシュー講談部の取材のために、よく講談会や稽古場にカメラが入るようになったからか、少しづつカメラに慣れてきたかもしれない。有難いことだ。心乱れることなくやれたように思う。

今日は「三方ヶ原の物見」をさできて嬉しかった。
その後、師匠が出られて「水戸黄門漫遊記 鮫川渡しの掟」を。
水戸黄門漫遊記がいまの形になっていったのは玉田家の影響も大きい。そういう意味では玉田家伝統の演目だ。

そしてその後師弟トークとあらすじの説明があって。

玉山「三好清海入道~オオカミを使った力比べ~」の一席。
オオカミをぶっとばしたり、巨木を投げたり、巨石でキャッチボールをしたり、と。僕が「三好清海入道」という一冊を読み進めていって「面白いな、これ、最高じゃん」と思ったのがこの場面。初期衝動がある場面なので、やらせてもらえて嬉しかった。

そのあと師匠が「三好清海入道~清海・由利と共に旅へ~」。
清海と由利が一緒に真田を目指すことになる、という場面。
どうもバカ力の馬鹿同士だから不器用だけれど、とうとう信州上田へ向けて旅が動き始める。
土地勘が無い清海が「信州はどっちだ」と由利に尋ね「わからん、とにかく行こう」と言って旅が始まる感じが気持ちいい。ハードボイルドだ。

次回の青山ビルさんでの立川文庫続き読みは11月7日。もうあまり日が無い。すぐに覚え始めなければ。

あと、11月5日に関西テレビ「報道ランナー」でビッグイシュー講談部の様子が取り上げられます。玉山も少し移っているかもしれません。
これを読んでいる親戚たち、わかっているぞ、読んでいるんでしょう。読んでいるということを聞いていますよ。
おばあちゃん、元気?関西テレビ見てね。「報道ランナー」だよ。18時から19時の間に映るらしいよ。また帰るからね。


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