半年前の気持ち
かなり昔のコマーシャルで印象に残っているものがあります。菅野美穂さん出演の腕時計のCMで、BGMがラブサイケデリコの「Your song」という曲だったと記憶しています。その中で、
「半年前の悩みなんて覚えていない。だから今悩んでいることも半年後には忘れているはず」
こんな感じの台詞がありました。まあまあ昔のもので、ハッキリとは覚えていないのですが、
「半年後には今悩んでいることを忘れている。だから大丈夫。」
というニュアンスだったと思います。最初に見たときに、その通りだな、半年前のことなんてサッパリ覚えてないわ!と、ハッとした記憶があります。
もちろん何年も続くような問題、健康上のこととか、将来のこと、お金のこと、漠然とした悩みというのは誰もが抱えていると思うのですが、
「今日会社で失敗してしまった」とか、「人にこんなことを言われて傷ついた、傷つけることを言ってしまった」とか、「悲しい」「苦しい」「泣きたい」などの感情が今あるとして、抜け出せないような気持ちになったとしてもそんな長くは続かないよね、ということ。
確かに半年前、もっと言えばひと月前に何に感情的になっていたかなんて覚えていない。こんなことがあって嫌だったな、と記憶として思い出すことはあってもです。
「七転び八起き」「ピンチはチャンス」
こんなことわざがあるように、色々なことがあって、落ち込んだり泣いたりして、もしも「自分は弱い人間だ」と思うことが度々あったとしても、人間の心は想像よりもはるかに頑丈にできているんじゃないかと、思いたいなって。
根っからのポジティブで、悩みも問題もなくていつも心が満たされていてっていう人もどこかにはいるのかもしれないけれど、不器用だったり何かしらの失敗経験がある人のほうが魅力的。
「実は半年前にこんなことがあって。」ていう話をしてくれたとしたら、その人の中にある、乗り越えた人特有の深みを感じるのではないかと思います。