Hahahaの母の日に贈るラブレター
わたしは母が大好きだ。
母であることより、一人の人間でいる時間が多い人。
だからいつも母といると飽きない。大人になった今でも会うのが楽しみ。
しばらく会わないと話したいこと、聞きたいことがあっという間にたまる。
母は、いつも何かしらの真新しいネタをもっている。情報源はどこのなにから?と思うような意味不明なキャッチーなものから、還付金詐欺にあいそうになったヒヤッとする実体験談まで多彩にぶっこんでくる。
最近、母から教えてもらたのは、『舐達麻』と『ナイジェル・ケーボン』
『舐達麻』は日本のHIP-HOPクルー。
全員がおしゃれな tattooとかのレベルじゃない本格的な刺青を背負ってる怖そうなお兄様たち。
メンバー内で逮捕者が続出…死…覚せい剤…大麻…穏やかでないワードが横並び状態。
60代の母からまさかイカツ目のHIP-HOPクルーを教わるとは驚きだ。
母自身がファンとかではなく、こんな人達がおるんやでの紹介。
iPhoneで調べたせいでInstagramにイカつい刺青画像がめっちゃでてくるようになってしまった…。
『ナイジェル・ケーボン』はイギリスのビンテージミリタリーアパレルブランド。デザイナーがおじいさんなのに自らモデルもする。
最近念願だった『ナイジェル・ケーボン』のシャツと腕時計を買ったのだと嬉しそうに見せてくれた。
どちらも母にとてもよく似合っていた。
母はとくにかくおしゃれな人。
独特のファッションセンスをもっていて
小学生の子どもであろうと意にそぐわない色を組み合わせてると違うでと本気で教えてくれた。
靴の色の選び方。トップスの首回りの絶妙な空き開ぐあいの正解。前下がりに着るとかっこよくなる服の種類。靴下のルール。ジーパンの育て方。インナーに着る白Tシャツの合わせとサイズ。どんな服でも必ず試着してから買うこと。ピアスをあけるなら耳たぶの真ん中に開けてはいけないこと。なぜなら下の方により近いと一粒ダイヤをつけるときこぼれ落ちるみたいで素敵だから。などなど書ききれないおしゃれノウハウをたくさん母から教わった。
そこまであるの?と驚いたのはわたしが中学生の時に所属していたソフトボールクラブのユニホームを着て初めて試合に出るときの朝のこと。
白と紺の野球少年がきているようなあの定番のユニホーム。
おしゃれとかの次元じゃないあれ。
着替えたわたしのユニホーム姿をみて、
「アンダーソックスとズボンから見える幅で足が長く見える丈があるねん。そのままは野暮ったいで」とズボンと内側に織り込んでくれた。
「上着をズボンにインしてベルトをするときもパツパツにいれたらちゃうねんなー」
少し前下がりに着てなこうタブらせてな…とまた手直し。
ユニホームまでおしゃれな着方があるのを母から知った。
母の手直しでユニホームの中で最上級のおしゃれを施して集合したら、
チームメイトが足長い!どうやんのそれ?ベルトの見え方なんかいい感じ!みんなが食いつてくれた。
母から伝授してもらった着こなしを皆にしてあげた。
ユニホーム初日の懐かしい思い出。
年子の兄は小6になってもオール母プレゼンツの服を着ていたので、卒業文集におしゃれだと思う男子ランキングで堂々の1位を獲得した。
が、実際の兄のセンスは壊滅的だったので中学、高校と進むにつれ母プレゼンツから離れともう二度とおしゃれ男子に返り咲くとことは無かった…。残念。
兄は現在43歳。この前会ったとき猫の総柄パーカーを着ていた。
「猫が好きやねん」と言った。
いいと思う。
それをみて母は、
「猫好きやったんやな」と言った。
もっと言いたいことがあるようだったが、母の良いところは多様性を受け入れるところ。
どれほど服にこだわりがあっても正解は教えてくれるけどけっして否定や強制はしない。
母から何かを強制されたことも、反対されたこもない。
「ウソだけは認めたいけど、そこにウソがなければ全部信じる」
「ウソをつかれるぐらいら、真実を受けとりたい」
「どんな言いにくいことでも隠れてされる方がつらい」
と、いつも言っていた。
母とのその約束を守ってわたしは大人になった。
母には色々と驚かされることが多い。
面白そうな本を見つけると母にもおススメするのだけど、その本を既に持っていたりする。
「関連書籍もあるで~」ひとまとめにして先日全部譲り受けた。
これがそのほんの一部。
どの本にも色褪せたマーカー線がたくさん引かれていた。
母がどこに心を動かされて、どこに興味をもったのか透けてみえた。
母なりに大きな何かと対峙しながら、わたしの前ではいつもフラットな状態でいてくれたんだな…と思うと、ちょっと泣きそうになる。
母には苦悩とか苦労とかが似合わない。匂ってこない。漂わせない。
感動以外で泣いてる母の姿を見たことがなかった。
でも所有している本が心とはなんぞやを説いているものが多く、その矛盾が隠された母の本質のように感じた。
母からゆずり受けたコレクションの中にはバシャールの本も紛れこんでいた。
母の心の宇宙に触れた気がした。
母より『○○』な人にであったことがないの『○○』をたくさん保有している唯一無二の母。
おはぎ4つを詰めただけのお弁当を中学生の子どもに持たせるチャレンジャーな母。
ミスタードーナツのエンゼルフレンチが好きだといえばそれだけを10個買ってくれた母。
それを成長期の子どもの朝ごはんに堂々とだす母。
そんな愛すべき母に今日、真っ赤なカーネーションを贈った。
受け取った母はみてみて~と庭に手招きする。
庭にピンクのカーネーションが咲いているのが見えた。
「毎年くれるカーネーションの鉢を地植えしたら成功してん」
「いつもありがとね」
誰よりもおしゃれで、音楽と本が好きで、ちょっぴり料理が苦手な母。
あなたの子になれて最高!!!!!!