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本当にあった怖い話①
【登場人物】
木崎(きさき)👩🦰…このお話の主人公。感情で物事を判断する。声がデカい。教員としての経験はそれなりにあり、中堅と言われる立場。部活動を生きがいにしており、放課後に職員室で姿を見かけることはない。しかし、机の上は汚い。
角谷(すみや)👱🏼♂️…木崎の隣の席の若手。経験が浅くミスは多めだが、へこたれない。気が弱く、よくいじられている。が、へこたれない。
鷹村(たかむら)👦…木崎のクラスの生徒。通級指導教室で学んでいる。
あれは2ヶ月ほど前、毎年恒例の学校行事を無事に終え、慌しさも落ち着いてきたある日。
「ガタガタ、バタンっ!」
職員室にいる全員の注目を集めるかのように、激しく音を立てながら入ってきた。
2組の担任、木崎だ。
木崎は自分の席に着くとほぼ同時に
「ちょっと聞いて!」
と隣の人物に声をかける。
降って湧いたアンラッキー。
もらい事故以外のなにものでもない。
そんな今日の貧乏くじを引いてしまったのは
3組の担任、角谷だった。
木崎は声がデカい。
聞き耳を立てなくても、話の内容が聞こえてくる。
むしろ職員室の全員に聞かせようとしているのではないかと勘ぐってしまう。
「うちのクラスの鷹村!こないだの行事に参加したこと褒めようと思って話しに行ったら、何て言ったと思う!?『自分には必要のない時間でした』って言ったんだよ!?考えられる!?その言葉を聞いた瞬間、ブチギレそうになったけど抑えて、「あ〜こいつ無いな」って思ったよ!」
荒野のガンマンもびっくりの早撃ちである。
防御不能の言葉の暴風雨。
人と話す時「何て言ったと思う?」と疑問形で言葉のボールを投げたら、相手からボールが投げ返されるのを待たないといけないって知らないのだろうか。ボールを奪い取ったらダメだって。
話を聞かされていた角谷は、突きつけられる情報の量が多すぎて処理しきれないでいるようだ。人型サンドバッグと化している。ダイエットグッズとして販売されたらさぞ大ヒットするだろう。
ひと通りわめきちらした木崎は、溜飲を下げたらしく足早に職員室を出ていった。
そして、キーボードを叩く音だけが響いていた。
怖っ!
こぉ〜わっ!
このお話の怖いところ、わかりましたか?
「ここかな〜?」と思う箇所をコメントで教えてください!
それでは。