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【税金Q&A】結婚20年目のプレゼント
<質問>配偶者に対する自宅の贈与には非課税特例があると聞きましたが ?
<答え>
夫婦間での自宅等の贈与については、最高2,110万円まで贈与税が非課税となります。
ただし、財産移転にかかる登録免許税等の支出を考慮に入れると、将来の相続時において「小規模宅地の評価減の特例」を適用するほうが、税負担が少ないケースもあります。
◆ 「贈与税の配偶者控除の特例」のしくみ
婚姻期間20年以上の夫婦間での居住用不動産(マイホーム)または居住用不動産を取得するための金銭の贈与については、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで(合計で最高2,110万円まで)控除できます。
結果として、2,110万円まで無税で自宅等を贈与できます。
「贈与税の配偶者控除の特例」と呼ばれています。
「居住用不動産」とは、専ら居住の用に供するための家屋またはその家屋の敷地(借地権を含む)をいいます。
なお、この特例を受けた贈与財産は、贈与者の死亡時において相続税の課税価格に含める必要はありません。
また、当特例の適用を受けるに際して自宅建物の持分を贈与しておけば、その後の自宅売却時に「居住用財産の譲渡に対する3,000万円の特別控除の特例」を夫婦ともに受けることができます。購入時より値上がりした自宅で、贈与後に売却する予定がある場合は有利となります。
◆ 特例を受けるための要件
当制度の適用を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。
1.婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと(同じ配偶者からの贈与については一生に一度のみ)
2.配偶者から贈与された財産が、居住用不動産である、または居住用不動産を取得するための金銭であること
3.贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産または贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
◆ 特例を受けるための申告手続き
当特例を受けるためには贈与税の申告書の提出が必要です。
贈与税の申告書には、
1.財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本または抄本および戸籍の附票の写し
2.居住用不動産の登記事項証明書その他の書類で贈与を受けた人がその居
住用不動産を取得したことを証するもの
を添付することが必要です。
なお居住用不動産は、「相続税財産評価通達」に定める評価方法に基づき評価し、居住用不動産を評価するための書類(固定資産評価証明書など)も申告書に添付します。
土地は、その所在する地域によって「路線価方式」または「倍率方式」にて評価します。
路線価とは道路に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価額をいいます。
路線価方式では、路線価をその土地の形状に応じた補正率で補正したうえで面積を乗じて計算します。
倍率方式では、その土地の固定資産税評価額に地域別に定められた倍率を乗じることで計算します。
家屋は固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。
◆ 「贈与税の配偶者控除の特例」の注意点
居住用不動産の贈与にかかる名義変更に際して、不動産取得税、登録免許税が課税されることに注意してください。
そのため自宅に関しては、相続時における「小規模宅地の評価減の特例」(被相続人の居住用宅地等について330㎡まで80%減額)を受ける方が税負担が少ないケースもあります。