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第5章 採算管理と損益分岐点分析

4.「いちご大福」を何個売れば採算がとれるか ?



1個当たりの「限界利益」を把握しよう


 「いちご大福」を何個売れば、「いちご大福屋🍓」さんの採算がとれるか計算してみましょう。

 ふたたび、「いちご大福」の原価の中身を整理します。

「いちご大福」の原価の中身を整理



 苺や餡などの材料費は、売れる個数に比例して、売れれば売れるほど増える変動費です。
 これらの変動費は、1個当たりで考える必要があります。
 「いちご大福」の変動費は、1個当たり30円です。

 一方、職人さんの給料(固定給)300円と、電気ガス水道代などの諸経費200円は売れる個数に関係なく、一定額が期間で発生する固定費です。
 製造キャパシティとして10個作るまでは追加のコストは増えませんので、6個作っても、10個作っても、期間費用である固定費は変わりません。

 このような、商品が売れても売れなくても発生する労務費や諸経費などの固定費をカバーする源泉が「限界利益」(=売上高-変動費)です。

 限界利益とは、売上高から変動費を差し引いた金額であり、採算管理で、とても大切な利益の概念です。


1個当たりの変動費は30円、限界利益は70円


 ここまで整理すると、1個当たりの限界利益を求めれば「いちご大福」を何個売れば採算がとれるか、つまり固定費を回収できるか計算できますね。

 1個当たり限界利益70円=1個当たり売価100円-1個当たり変動費30円

 限界利益とは、2個売れれば140円、4個売れれば280円といった具合に、売れれば売れるほど増えていく利益です。


 そして、固定費500円を超えるために何個売る必要があるか、
 「固定費500円÷1個当たり限界利益70円」の算式で、
 7.1個と計算できます。

 採算確保のための必要な売上個数は、7.1個。

 7.1個といっても、お客さまに「いちご大福」を切って売れませんので、売上個数8個がギリギリの採算ラインということになります。

 7.1個 → 8個🍓

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