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絶景は一人で見られるとは限らない

 旅に出ていてお久しぶりになりました。フォロワーさん減ってて、ちょっと悲しいtamaです(泣)さぁ、終わらないかのように思えた暑さも和らぎ、紅葉のシーズンも少し先で、人混みを避けて旅したい方にはぴったりの季節です。今回は、秋田県仙北市の抱返り渓谷で涼をとってきました。


行くべきか、行かざるべきか

 旅に出てからも、ハムレットのように抱返渓谷を行程にいれるかずっと迷っていました。市のホームページの文言を気にしていたからです。

帰ってきたらこの文言に変わっていましたが、旅立ち前は、もっと大きい文字で、”絶対に一人で行かないでください”と書いてあったように記憶しています。

筆者はイノシシの生息地域で育ちました。その頃は、今ほど駆除機運が高くなく、塾帰りに隣を通って帰っていました。殺気を発している個体と一度遭遇した時以外は身の危険を感じたことがありません。

自然との接触が減り、危険察知の本能が衰退して、事故が増えているのではないかと野生児は思うわけです。なので、山にドングリの植林などでご飯を増やすなど共存する方法はないものかと、昨今の駆除には心が痛みます。ちなみに、県北部ではクマも少ないけれど出るそうです。

クマにやられて別次元に旅立つことに不満はないのですが、懸念したのは、筆者が訪問したことにより遭遇してしまったクマが害獣認定を受けることです。

種類豊富なクマグッズ

 アウトドア製品を扱う好日山荘さんを訪問。代表的な対策グッズは、鈴とスプレー。このクマよけスプレーは、王子動物園のクマセミナーで聞いたことがありますが、距離感が絶妙ですし、練習用スプレーも販売されているくらいで、山登りのベテランでもない筆者には難しいと思いました。よって、鈴一択。

クマ鈴もたくさんあって、まずは国産メーカーにしぼる筆者。鳴らしてみると、音の大小あるものですね。そして、クマ出没地域外における防音機能があるものとないものがありました。実際に試してみると、消音機能の解除にこんなに時間がかかったら間に合わない!?となりそうな品物もありました。厳選したのが、かわいさもあるこちら。


行ってしまいました

 友人を数人思い浮かべ、2人でクマと遭遇しても何の心強さもないという意味のないシミュレーションを繰りかえしながら、その時を迎えました。時間に余裕があり、16時少し前になら到着できることになりました。初秋で自然を訪うには、ギリギリの時間。

動画も撮影していたら、予備バッテリー持参したのに電源のピンチ。次回からは、バッテリーの充電器も持ち物リストに入れます。なので、幸いにも豊富に写真を撮れない状況でした。そして、このために持ってきていた三脚も忘れました。滞在時間は短めにできるでしょう。

ここからが、本番!碧の世界へ旅立ちますよ。長い前置きで、みなさま着いてきてくださっているか不安。

いざ、碧と緑の世界へ

緑に映える赤い橋

駐車場に止めると先客のカップル未満さんがいました。彼氏未満をチェック。2人だけど、この彼氏なら申し訳ないけれど筆者の方がたくましいかもと一安心?

一方が崖の緑の中の道を進みます
紅葉のシーズンは、さぞ素晴らしいのでしょう

いきなりテンション上がるコバルトブルーが広がります。実は、これ、田沢湖上流にあるpH1.2の強酸性の玉川温泉が原因のようです。見るのは美しいですが、固有のクニマスを絶滅させてしまった要因で、現在は中和処理がなされているようです。公的資料で、"導水以前"という単語が見られるのですが、どいういった経緯で導水されたのかは記載がありませんでした。
興味がある方は、こちらをどうぞ。


神の岩橋(徒歩7分)

 遊歩道入り口から遠く見えた神の岩橋、意外に近かったです。

秘境感

しばらく、森林浴を楽しみながら、コバルトブルーが見えたり、見えなかったりする心地よい道を進みます。


屋外で真の暗闇の試練(さらに徒歩25分)

 突如、素掘りのトンネルが3つ現れます。最初の2つはよいよいなんですけど、3つめ(だったはず)が怖いです。クマより怖かったです。

1番目は、このように奥が見えるのですが、3つめはトンネルの途中で蛇行していて、入口からは出口どころか、光が全く見えません。しかも、あらゆる電源がピンチを迎えていたので写真がないのですが、トンネルの入口には”個人の灯を使用せよ”的な張り紙がされていました。筆者の携帯の電源、残り4%・・・。帰りももつでしょうか?

眩しいと思っていたスマホのライト、いかにほのかなものであるかを思い知りました。水たまりのある土の足下を照らしたいのですが、それをすると前が見えないというくらいの暗闇でした。


勇気をだしたご褒美

 トンネルを抜けると、そこには回顧の滝(みかえりのたき)。何度も 振り返って見たくなることから名付けられました。三脚を持参し忘れましたが、貴重なバッテリーを使っての一枚です。

僅かな漏電も防ぐため、電池を出したり頑張った

これから先は、徒歩数分で、自分の命を省みず妹を救おうとした少年の像があり、最も気になる渓谷展望台への道は閉ざされており、現在は折り返しとなっています。トンネルの暗闇への狼狽、時間のプレッシャーにより、振り向けば見えたであろう棚掛の滝は見忘れてしまいました(泣)

閉鎖以前に行かれた幸運な方のブログで楽しませていただきましょう。


夕暮れ迫る

 戻ってくると、神の岩橋がすっかり夕景になっていました。


アクセス

角館市街から車で20分以内。
レンタカーをご用意でない方は、よぶのる角館さんのご利用がお勧めです。

角館観光協会さんのモデルコースがこちら

自然公園なので、門扉や入場料などはなく、24時間オープンですが9月末の16時でも暗めなので明るいレンズ、もしくは三脚をお持ちでないと撮影はしにくいかもしれません。
また、10月以降の紅葉シーズンは、駐車場が有料になり、シャトルバスが走ります。この時期は大勢の方がいらっしゃるので、筆者のように暗闇のトンネルも怖くなさそうです。


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