気遣いのイロハ
お客様の浴槽への誘導時に、座られたあと湯加減をお聞きし「ちょうどええわ」と返ってきたとき、しばらくして「お湯を足しましょうか?」と尋ねると「なんでわかるん?!」といつもびっくりされる。
【湯に入ってすぐに「ちょうどいい」と答えるお客様は、高確率で2分後あたりに湯慣れしている】
介護の現場に入って18年目になりますが、この見解は季節や職場が変わってもずっと適応される感覚で、私の介護観にある気遣いのイロハとなっています。
先程「ちょうどいい」と答えた手前、忙しく働くスタッフに気遣って言い出せないお客様が多いので、2分後に聞き直してその反応でお湯を足しています。
最初からお湯を足すとのぼせやすく、気づかないままだとお湯のぬるさから長湯になる。また、満足に入浴出来なかった不満でサービスの質が下がってしまう。
ヒートショックのリスクは勿論ですが、そういう原理や気づきこそ大事だと思うのです。
これは入浴に限った話ではなく、日々のお客様との会話にも活きてくる考え方です。ただ会話をするのではなく、目線や口調、表情、顔色、滑舌や怪我の有無など、お客様自身から頂く情報に加え、こちらから読み取っていく情報の大切さは、自ずとサービスの質の向上に繋がります。
かと言って、過剰な声掛けやパフォーマンスを嫌われるお客様も多いのが介護現場。目上の方であると意識する初歩を忘れず、いかにスマートに介助に入るかを新人さんにレクチャーしている最近です。