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はたらくってクリエイティブだわ
宅急便屋さんのお兄さんが「いいにおいがしますね。ひのきかな?」というので「なんでしょう?チキンの香りはしますが^^;(クリスマスイブなので)」と答えて扉を閉めた。
ふと考えてみたところ、思い当たるのは、ヨガのときにアロマを焚いていたから?もしくは、ゆうべのゆず湯のいい香りがまだ残っているのかな?と思った。
それから、心地よく配達して声をかけてくれたそのお兄さんに、お菓子の一握りでもお渡ししすればよかった、なんて思ったのだが、
そんな気持ちが湧くのは、自分が逆の立場のときに、そうしてもらった経験があるからだと思った。
そう、あれははじめての労働、はじめてのひとり暮らし。
18歳で生まれ育った福岡県から上京して、新聞奨学生となり専門学校に通っていたときだ。
毎日朝夕、文京区根津から千駄木にかけての不忍通り沿いを新聞配達していた。
そんな苦学女子を不憫に思ったのか、優しくしてくれる人たちがたくさんいた。
(うちの息子の嫁になってほしいとも言われたなあ。)
ある工房のおじいさん吉岡さんは、気さくに声をかけて下さったばかりか、玄関にお菓子をひっかけて下さるようになった。
小さなビニール袋に、お菓子の詰め合わせ、腹ペコ苦学生にはとってもありがたかった。
そして最後にはご夫婦で浅草にお寿司を食べに連れて行って下さったのだ。
東京でのはじめての回らないお寿司に感激した。1991〜92年のこと。
それから20年以上経ち、あるとき、根津に用事があったときに「吉岡さん」を思い出して訪ねていったことがある。
うろ覚えのマンションの2階の工房、たしかここだったかな?と歩いてゆくと、建物も変わらず、表札も吉岡とあった。
おそるおそる呼び鈴を押すと、知らない女性の方。
ご家族かもしれないその方に、20年以上前にお世話になったむねを話しお礼を言ったが、当然相手はなんのことやら困惑していた。
そうか、吉岡さんはもうこの世にはいらっしゃらなかったのかもしれない。
話はここまで。
はじめての労働を思い出し「はたらくってなんだろう」を考える。
人はやってもらったことを誰かにもやってあげようと思えるし、逆に、やってもらえなかったことを誰かにやってあげようと思えたりするのだろう。
寒い時期も変わらず宅配業にいそしんで下さっている皆さま、本当にありがとうございます。
こころをはたらかせる。はたらくってクリエイティブだ。頭使ってなさそうな肉体労働だってクリエイティブなのよ、たぶん。