掟上今日子の推薦文
あらすじ
二億円の絵が一夜にして二百万円に急落。鑑定人は、忘却探偵・掟上今日子。しかし、絵がすり替えられた形跡もなければ、今日子さんには記憶もない。
美術館警備員・守の依頼を受けて看破した真相は、さらなるアートな難事件を巻き起こす! 彼女と過ごす時間はいつだって最初で最後。
「忘却探偵シリーズ」第2巻。
感想
忘却探偵シリーズ2作目。
短編モノであった前作と違い、各章で区切られているものの全体を通して同じテーマで描かれる長編作品。芸術の世界を描いており、天才の、常人には理解し得ない行動や生活は面白かった。
全体を通しての謎も、ドラマ版を見てしまっていたため驚くことはできなかったものの、上質なミステリであったと思う。
ただ、西尾維新作品をほとんど読んできていないので、本作の特徴なのか西尾維新の特徴なのかわからないけれど、描写があまりにもくどいのが気になった。
物語の語り手である親切守を凡人として描きたいがためか、随分と鈍すぎるため物語の進みが悪くヤキモキとさせられる箇所が多かった。次作には解消されていると期待。