アテナ
あらすじ
フランス都市部の郊外の貧困住宅地区アテナに住む移民の兄弟の末っ子イディールがある日、何者かに殺害される。犯人は警察官ではないかと考えられていた。
これを受け、イディールの兄カリム率いる移民のギャングたちが警察署の前で抗議活動をする。ところがカリムたちは抗議だけに収まらず、そのまま警察署を襲撃し、武器を奪って逃走する。これを機に至るところで暴動が起き、警察はアテナを包囲することに。
カリムの兄で軍人のアブデルは弟の死に悲しみつつも武力行使には反対だった。なんとかカリムを説得して暴動をやめさせようとするが若者たちの怒りは収まりそうにもなかった。やがて警察が突入してくると、アテナは戦場と化すのだった。
感想
まず映画が始まってからの冒頭11分ほど、1カットで描かれる警察署襲撃からの団地立て篭もりの長回しに完全に目を奪われ、そこから最後まで一気に見てしまった。
団地でのシーンが多いけれど、日本の団地と大きく見た目が変わっていないからか、そう遠い場所で起きていないように感じとても自分ごととして見てしまい、胸を抉られるシーンがたくさんあった。
ド派手でただエンターテイメントとして見ても楽しむ事ができる映画だけど、それぞれの登場人物の抱えているものの重さを表情や振りかざす拳に感じたし、ドキュメンタリー的なカメラワークからもここで起きているのが(実際のフランスの情勢はわからないけど)リアルな出来事として感じさせられ、考えさせられる部分がたくさんあった。