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ブレット・トレイン

あらすじ

 とにかく運の悪い殺し屋レディバグ。彼は依頼人のマリアからブリーフケースを盗むだけの簡単な仕事を請け負い、東京発・京都行の超高速列車・ゆかり号に乗り込む。

感想

 まず、原作者である伊坂幸太郎の大ファンであり刊行された本は全て読んでいて、本作の原作小説であるマリアビートルも何回も読み返しているので、この映画を見るために読み返してはないけれど大体は原作の流れを把握した上で見に行った。
 その上で、最高に楽しむ事ができた。

 予告を見た時点では、誰がどう見たって現実と似ても似つかないネオ東京の描き方や、見ただけじゃ原作のどのキャラクタなのかわからない登場人物から、原作完全無視のスペクタルなバカ映画だと思っていたけれど、そんな事なかった。原作を読み込んで更には別の伊坂幸太郎作品を読み込んで描いているのだろうと感じるシーンがいくつもあり、紛れもなく伊坂幸太郎原作の映画だった。
 しかも、原作にはない要素がたくさんあり、その伏線の貼り方や回収の仕方に伊坂幸太郎的エッセンスを存分に感じる事ができ、原作を見た人でもハッとさせられるような展開がたくさんある。
 そして、サンドラ・ブロックやライアン・レイノルズみたいなスターをそんなあっさりと使っちゃうんだというのも、この映画の本気度を感じた。

 原作を読んで映画を観ても楽しめるし、きっと映画を観てから原作を読んでも楽しめる作りになっていると思うので、小説原作の映画化としてこれ以上ない成功例なんじゃないかなと思う。

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