サマーゴースト
あらすじ
ネットで知り合った高校生の友也、あおい、涼。彼らは、それぞれ家族や友人、将来について悩みを抱えていた。そんなある時、3人は夏にだけ現れると噂されていた若い女性の幽霊「サマーゴースト」に会おうと思い立つ。
感想
乙一の別名義『安達寛高』で脚本を担当した映画作品の、ノベライズ作品とのこと。映画は見ていないけれど、青春群青劇としてとても映像映えする内容だとは思うので、いずれ見てみようと思う。
本作のざっくりとした内容でいうと、自殺を考えている高校生3人が『死ぬこと』について幽霊に聞きにいくという話。死や自殺に向き合う話はいくつも読んだことあるけれど、そこで幽霊を使うというのはとても乙一らしいなと思った。
ページ数的にも短めであっさりとした内容なのだけど、死生観の固まりきっていない高校生の頃にでも読んでいたら考え方が変わっていたとしてもおかしくないなと思うくらいに、誰かの心を動かすことの出来るようなパワーのある作品だった。