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VS 冬将軍

「げっ!また休校…?!」

先週、今年に入ってから3度目の臨時休校になった。いかげんうんざりする。原因は、雪。

通学路が雪で埋もれてしまうのだ。視界も悪い。除雪にも時間がかかるし、JRは止まるし、車は埋まるし、大渋滞だし、登校できない状態の先生もいる。

これはもうしょうがない。人間にはどうしようもないんだよ。と、自分に言い聞かせる。そうして私は家族5人分の昼食を作るのだ(夫・在宅勤務)。給食のありがたみが身に染みる…。

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今年の雪は、いつもと違う。
とにかく一撃が大きい。一気に膝丈まで積もる。容赦なくずんずん積もる。冬将軍が大盤振る舞いしているようだ。
雪は高く積み上げられ、そのうち壁になる。住宅街は真っ白な迷路みたいになった。

どうやら、今年は『記録的な大雪』を連発したらしい。雪に強いはずの札幌は、てんやわんやの大混乱。

雪はもともと水からできているが、冬の間は簡単に溶かすことができないし、勝手に流れていく事もない。固まった雪は春まで残り続ける。つまり、この雪は……?

「知ってるか?

雪かきをしないと、雪に埋もれて死ぬ。

ここはそういう世界なんだぜ。」

私の頭の中の冬将軍が、ニヤリとつぶやく。

わかってる。

何年ここに住んでると思ってるんだよ。
やるよ。やりますよ。

でもね、、、

限度というものがあるでしょうが。

健闘虚しく、1階の窓が埋もれた。もう窓は開けられない。

1階の窓から見える景色は、雪。


風向きによっては玄関ドアも開かなくなる。※朝起きたら玄関が開かなくなってて焦った。家の中に横にスライドするタイプの窓があったので、そこから脱出できた。ヨカッタ。

窓から脱出して、玄関に回った時の様子。
開きまへん。

物置も。

早い段階で家主に見捨てられた物置。(埋まり放題)

車も。

いつもはこんなんじゃないのよ。まじで。

何もしないと、全部雪に埋まっていく。ちょっと怖いくらいのスピードで。

この絶望感は、あれだ。自分が小さい頃からかわいがってもらっていた近所の優しいおじさんが敵軍に寝返った的な。ラスボスはお前だったのか的な。そういう絶望感。(わかりにくい)

でも、子ども達は案外楽しそうで。

突然の休校に嬉しそうにはしゃいだり。

大きくなっていく庭の雪山に登ってニコニコ。狭いスペースでそりすべり、尻滑り。

寒い中、顔を真っ赤にしながら雪合戦で盛り上がり。

雪山に穴を掘ってかまくら風にしたり。

ご近所では、庭の雪を高く高く積み上げて足場を作り、2階の窓からジャンプして飛び移る遊びをする強者も現れた。(2階の窓と雪の足場の高低差は1メートルくらい?)

子ども達が雪で遊ぶ姿を見ていると、自分が子どもだった頃を思い出す。楽しかった思い出がたくさんある。

そして大人になってからは、地域の人達の温かさを知った。
ご近所では、声を掛け合ったり、助け合いながら雪かきをする。雪で車が埋まって動けなくなれば、見知らぬ人でも助けにきてくれる。

雪かきは大変だし、吹雪の時は危険だし、うんざりする事も多いけれど。この場所を嫌いになれないのは、嬉しい思い出も多いからなんだろうな。

年齢を重ねて、雪かきができなくなって、いつかは街を離れるかもしれない。
でもそれまでは、きっとここに住み続けるんだろうと思う。何だかんだで雪が好きだから。

というわけで、冬将軍様。あなたに勝てるとは、1ミリも思っておりません。
来年度は手加減してください!!!

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