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怒りと向き合う
娘に嫌な態度をとってしまった。
日常で色々な事が重なって、私が元々イライラしていたのが原因だ。
息子がボールで食卓のコップをひっくり返して、それを叱っているうちにヒートアップして、娘にまで関係の無いイライラをぶつけてしまったのだ。
私の苛立ちを感じた娘は、怒って寝室に行き、とじ込もってしまった。
私の心が落ち着いた数十分後、娘の様子を見に行くとなぜかボールペンが落ちていた。
娘は泣いていたのか、目のまわりが赤い。何やら紙に自分の気持ちを殴り書きしていたらしい。
私が素直に謝ると、娘は許してくれた。そして、自分の書いた紙を見せてくれた。
「私や弟への愚痴が書いてあるのかな…?」と思い、おそるおそる紙を見ると
・娘は全然わるくないのに、弟のせいで怒られた。
・弟の✕✕✕なところが嫌。
・娘は弟に色々譲ってあげているのにひどい。だから娘もイライラしてしまう。
・ちゃんとできない自分がきらい。
・近所のお姉さん達みたいに、みんなに優しくなりたい。
後半から予想全くと違う事が書いてあって、ちょっと泣きそうになった。
そんな事を考えていたなんて、思いもしなかった。
娘にはもう『理想の自分』みたいなのがあるのかぁ。これからその理想に向かって成長していくのかな。
娘は、確かにさっきまで怒っていた。でも自分の気持ちを紙に書いて、自分で気持ちを落ち着けた。これはすごい成長だと、私は思う。
**********
私自身『怒り』という感情に向き合ったのは、第一子である娘の出産後から。
…恥ずかしながら、大人になってからだ。
私の父は普段無口だが、怒ると怖いひとだった。ひどく大きな声で怒鳴る。だから『怒る=怖くて嫌なこと』と思っていて、私は怒りという感情から逃げて大人になった。
ずっと『父のように怒る人には絶対にならない』と思っていたし、実際に私が怒りを表に出す事はほぼ無かったと思う。『自分は滅多に怒らない性格なのだ』と思い込んでいた。
でも、出産後。ホルモンバランスの変化なのか、寝不足が続いたからなのか、元々あった気性なのか…
気付いたら毎日怒っていた。父のように、大きな声で怒鳴っていた。
それは私が一番嫌だと思っていた、父の怒り方にそっくりだった。
ゾッとした。私にこんな感情があるなんて、嫌でたまらなくて、見ないふりをした。
見ないふりをしても、怒りはおさまらなかった。むしろどんどん膨れ上がっていくみたいな。
つらい、くるしい、たすけて。
怒りで内側から焼け焦げて死んでしまいそうな気がした。
もう、自分で自分がわからない。
娘が生後6ヶ月の頃、私の中は真っ黒だった。口からドロドロと真っ黒な何かが出てきそう。お腹の中がマグマみたいにふつふつと煮えているみたい。
おそらく、産後うつ一歩手前の状態だったのではないだろうか。怒っては、罪悪感で泣いていた。そしてやってくる産後クライシス。本気で離婚も考えた。
でも夫に
「今は離婚したいほど俺の事が憎いかもしれない。それでも良い。でも家族はこれからも続く。その長い時間の中で、また好きだと思える時がくるかもしれない。俺は、家族ってそういうもんだと思う。」
というような事を言われ、踏みとどまった。
今となっては、あの時踏みとどまれて良かったと思う。今、家族みんなの事が大好きだから。
それから私は初めて自分の怒りと向き合った。少しずつ、少しずつ、長い時間をかけて。ここまでくるのに10年近くもかかってしまった。
現在も『怒りとの向き合い方』は私の課題のひとつ。
あの真っ黒な状態には2度と戻りたくないなと思う。そして、子ども達をあの真っ黒な世界に行かせたく無いな、とも。
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先日は末っ子が、癇癪を起こしてキーーッと怒りながら泣いてしまった。
すると息子が末っ子にコソコソ何かを話して、一緒にどこかへ向かった。
しばらくして、息子だけ戻って来たので聞いてみる。
「末っ子と何してたの?」(私)
「怒ってたから、いいこと教えてあげたんだよ。」(息子)
「えっ?!いいことって?」(私)
「ええとね、怒ってるときは、布団にもぐると良いんだよ。布団にもぐってるうちに、温かくて気もちよくなるから。怒ってることを忘れるの。ちょっと眠たくなってきて、もういいや~って。だから、末っ子にも教えてあげたの。」(息子)
えええーーーーー!!
単純に「すごい!」と思った。
息子は昔から泣き虫&怒りんぼで、気持ちの切り替えが下手くそだった。
泣きながら怒っている息子が辛そうに見えたので、私も「怒ってる時は、深呼吸したり、数を数えたり、1人になれる部屋に行くと良いみたいだよ」みたいなアドバイス(本やテレビの受け売り)は何度もしていた。
時には怒っている息子につられて、私も一緒になってイライラ怒ったりしてしまったが…。
でも最近の息子は、怒ると1人でどこか別の部屋に行って気持ちを切り替えて戻ってくる事が増えた。
自分で怒りの鎮め方を探していたとは。
そして、その方法を末っ子にも伝授していたとは。
何だろう、すごい。(語彙力が足りない)
怒りんぼのプロの成長を垣間見た気がする。
しばらくしたら末っ子がケロッとして戻ってきた。効果があったようだ。
息子、ナイスアドバイス。
私が10年くらいかけて、なんとか学習した怒りの鎮め方を、息子はここ2~3年の経験で会得してしまったというのか。子どもの吸収力がまぶしい。
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子どもを見ていると『怒り』はエネルギーの大爆発だなと思う。
怒りと上手に付き合う事ができたら、そんなに怖れる事は無いのかもしれないな。
怒りは自分を振り返るきっかけになったり
別の行動の原動力にもなる。
これからも、怒りとうまく向き合っていけるように日々精進して参ります。
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