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大好きな『面白い』という言葉🌻
これは私がまだ20代で、社会人歴はまあまああったものの、初の転職で憧れていた、東京本社の会社に入社し、繁華街にあるオフィスに勤め始めた頃のお話です。
毎日、トップスはアンサンブル、スカート、パンストにヒール、髪はパーマ、ネックレスにネイルと外見ばかり気にして、通勤していました。
そんな、私が、雷をうたれたように、影響を受けた先輩が入社も歳も少し上のS先輩。
本当にかっこよかった。仕事は出来るし、ユーモアも愛嬌もあって、笑顔も素敵だった。
中途入社をした私は、張り切っていました。一人よがりな完全な空回りとも気がつかずに。まるきりの新入社員なら自分を職場の環境に合わせていたと思う、しかし勤めた経験があった私は、こともあろうか何の相談もせずに勝手に職場の環境を自分に合わせようとしていたのだ。
当時の私の口癖は「この方が(私は)見易いと思って」「ここにあった方が(私が)使いやすいので」今考えると、なんと身勝手だったことか!共有スペースに私物を置きっぱなしにしたり、共有物品を持ち出したままだったり、教えてもらっても、メモはしない、何度も同じことを聞く…それは、それは迷惑この上のない、新人だった。
まだまだ、失敗を挙げればキリがない。
ある日、先輩がお昼用に買ってきたヨーグルトを間違えて食べてしまったこともあった。
悪気はないのだ、本当に自分が買ったヨーグルトと間違えただけなのだ。
たぶん、世の中の大半の人間はこんな新人を与えられたら、怒りで辞めさせようとするか、全く関わらないようにするか、そんなところだろう。
その人の価値観が自分と違うと分かるや否や険悪なムードになるというシーンはどこの社会でもよくあることだ。もっぱら地方の古めかしい社会ではその傾向は顕著だ。
だが、そのS先輩の反応は全く違った。
それはある日の出来事だった
仕事中、デスクでコーヒーを飲んだりお茶を飲んだりすることは誰にでもあることだろう。その日は、なんだか無性に塩辛いものが欲しくてマグカップで味噌汁を飲んだ時のこと。それを見たその先輩は、もう堪えきれないといった様子で突然、大声で笑いだしたのだ!
(爆笑)「あはははは、あんた、ほんっとに、面白いねぇ!」
私は、ビックリした。何がそんなに面白かったのだろうか?
「駄目ですか?」
「あー、ビックリしたぁー!いや、いいよ。デスクで味噌汁飲んでる人、初めて見たよ(笑)」
まだ、笑っている…
私は、てっきり、怒られるのかと思った…もちろん、デスクで味噌汁を飲むことが違反とか禁止されている訳ではない。ただ、S先輩にとっての味噌汁はマグカップで飲むものでも、昼以外の休憩中に飲むものでも、デスクで飲むものでもなかっただけのこと。
その時は「えー、なんか無性に塩辛いものが食べたくてー」とかなんとか言ったと思う。
私は、そのS先輩に『面白い!』と初めて言われた時、笑われたというより、なんというか認められたという感情に近い安心感を得た瞬間だった。先輩と自分は違う人間で価値観も育った環境も違う、でも、そのS先輩は自分の価値観を押し付けるでもなく自分と違う相手の価値観を『面白い』と表現したのだ。
これに対して私は深い感動と、感銘と尊敬の感情を抱いた!
それからの私はそのS先輩に憧れ、また『面白い』って言ってもらいたくて 毎日を必死で過ごしていた気がする。そのS先輩の真似もよくしていました、大好きで憧れでした。
自分とは違う価値観を『面白い』と認め合う これは本当に素晴らしい。人生を楽しく、豊かに、つまならない争いごとも回避できる方法でもあると思います。
もし、貴方のそばにも、ちょっと価値観が違う人が現れたら『個性的で面白いよね』と見方を変えてみたら新しい扉が発見できるかも知れません、是非試して見て下さい。
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