亜種のボヘミアングラスと出会う
チェコといったらボヘミアングラス。
少し前にお気に入りのグラスを割ってしまったので、買い足すならせっかくだから、チェコ旅行でボヘミアングラスを探そうと思う。
ボヘミアングラスというと、切り子の細かなデザインか、薄く彫られた模様のものが一般的。
昔は贈答品として流行ったようで、実家でもいくつか見つかる。
実は私はシャープな研ぎ澄まされたガラスよりも、若干ひずみのある厚みにムラのあるガラスで、なだらかな曲線が好き。気に入ったのが見つかるだろうか。
重さも嵩もある上に、割ってしまう可能性も高いガラス製品
それだけの犠牲を払っても気に入るものしか買わん。物を増やしたくないし、と堅く心に決めたのである。
プラハの街で見かけるのは、やはり切り子と浅い彫刻タイプ。
うーん、これならわざわざ買うことはないかも。
ところが、郊外の中世の面影を残すチェスキークルムロフのマルシェで出会ってしまった。
このぽってり感! この流線形!
説明書もないし私の語学力もないし、これが果たしてボヘミアングラスの定義に合っているのか分からぬが、好みにピッタリなのでこれでいいのだ。
部屋に戻ってためつすがめつ
「あ〜、やっぱり買ってよかった。この装飾が好き。2つ違うデザインなのがまたよかった〜」
と嬉しくて、娘相手に何度も言う。
今回の旅行費用を私がかなり負担をしている分、娘にはパシリをさせていて、私のこういうしつこい感嘆の相手をすることも料金に含まれている。
娘も心得たもので
「ホントー、ヨカッタネー、カワイイネー」
と無表情の棒読みで相手をしてくれる。
帰国後、何となく検索したら
”ヒストリカルグラス”
…中世とルネサンス期時代のグラスのレプリカというのが似ていることを知る。
レプリカのレプリカかもしれぬが、気に入ってしまったのでこれでいいのだ。
店舗ではなく、またいつ出店されるか分からない一期一会のマルシェ(しかも異国)…
そして出自も分からぬグラス。
この謎に包まれたストーリーがまた私にとっては付加価値なのである。
※ ボヘミアングラスはヴェネチアングラスの製法を取り入れて、チェコ由来の素材で作られているそうです。詳細に興味のある方は検索してみてください。(←その辺り、気に入ればどーでも良いワタクシ)
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