机上の空論の色彩計画
最近少なくなったようにも思いますが、養生や雨よけ、目隠しなどの現場でブルーシートが使われます。
広い面積に使用されることが多いので、景観を損なうなぁ、と見る度に感じていました。
どうして鮮やかなブルーなんだろう? 染料が安価なのかな?
と思っていたら、ナント
青は海や空の色、自然の色だから
ということらしい…
色を決めるのって、このように安易に決められていることが多いのです。
いやいや、自然な色だと思いますか?
実は青って自然界に少ない色なのです。
なので、遭難して救助される際に青い服はより発見されやすいそうです。
空は?海は? 自然の色じゃないか!
と言われそうですが、空も海も実体のない青です。光の屈折の関係で「青く」見えるだけ。(厳密に言うと全ての色は光と関わっていますが、また別の機会に)
海の水をすくったら青い色をしていますか?
飛行機で上空を飛んだ時、周囲の大気は青いですか?
そもそもブルーシートやこれらの青に塗装された人工池を見て、
自然に馴染んでいる
と感じますか?
理屈で考えているつもりで、実際は机上の空論の色彩計画です。
身の回りには、このような安直な発想で決められた色が多いのは非常に残念。
空や海という光の屈折の特殊性もさることながら、素材の質も重要です。
鮮やかな色を使うと、安っぽさがさらに目立ちます。(敢えてチープ感を出すという意図的な演出はあります)
もうひとつ、自然な色だと思われて使われがちな緑も然りです。
面積の広い無地も周囲に馴染みにくいです。
緑は自然の色〜、と思いますか?
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