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『経営リーダーのための社会システム論』/宮台真司×野田智義
至善館大学院の講義をもとに、同大学長の野田さんの本ということもあり、早速購入、そして一気に読破。
実は以前、学生さん向けに地方創生のお話をさせてもらった時、「若い人が結婚をしなくなっている理由はなんだと思いますか?」と聞いたら「コスパが悪い」という答えが返ってきて腰が抜けそうになったことがあります(笑)
人と社会の関わりの見地から、
●1段階目の郊外化が1960年代の団地化
●2段階目の郊外化が1980年代ぐらいからのコンビニ化
●3段階目の郊外化が1990年代ぐらいからのインターネット化
というふうにみていて、いやいや今の若い方々からは「ネットで十分コミュニティがあるから大丈夫という声が返ってくるだろうが・・・」とこの本でも書かれていますが、事実私の周囲の若手職員でも社会との接点はほぼネットで、自分はコミュニケーション能力が高い、と自負している子もいるのですが、そこにある危うさ(よく知らない人と交わるとかいう危うさではなくて)についても触れられています。
実は、仕事でセクターが違う方々とあれこれ提案やすり合わせやと話をしている時に、若い子が話の腰を折るように、「で、メリットは何ですか?」と聞くことが気になっています(笑)
それも大事だろうけど、聞くタイミングと優先順位がちょっとずれてるよなーという感じ。
相手さんも知恵やアイデアを惜しみなく披露し、なんとかお互い擦り合わせられないかと、そこまで言ってくださるなら私たち側は何ができるかなと頭を捻っている時に、正直「ここで聞くか?」と感じることがあります(汗)
ただ、その「メリット君」は彼の同世代集団の中では「あいつはスマートで頭がいい」と評価されていることが多いのが常です(私は決してそう思わないけれどw)。
そのあたりの違和感についても惜しみなく語ってくれている感じでしょうか。
そして、これからの共同体のあり方として語られているのは
●ひとりひとりがオーナーシップを発揮する協同組合的コミュニティ
●山崎亮さんの言葉を引用し「(もとの共同体構成員の)1割が参加するぐらい。2割が参加したら成功!」
●ここで大事になるのが「1階のエリートではなく、半2階のファシリテーター」
というあたりも、とっても面白いです。
よくわかりませんが、終盤に近いあたりでグッとくるもんがあって、目頭が熱くなりました(笑)
テックの良いところは吸収しつつ、人間的であることのコスパ悪さは堂々と持ちながらの未来に想いを馳せております。