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その場所独自の価値を人々の心に届ける”地域ブランディング”


武蔵野美術大学大学院 クリエイティブリーダーシップコース クリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第3回目 2020/06/01

雨上株式會社  代表取締役 平井俊旭さんにお話を伺いました。


武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科卒。
同研究室助手を経て、インテリアデザイン事務所
(株)SUPER POTATOに勤務。
2001年(株)Smilesに入社し、
創業期よりSoup Stock Tokyoのブランドづくりに携わる。
2014年 雨上株式会社(アメアガルカブシキガイシャ)を設立

SUPEA POTATOご在籍時には、各地の店舗デザインを手がけられ、バリ島でのお仕事も担当された。
2001年(株)Smilesに入社されたが、入社当時の経営状態は芳しくなく専任のデザイナーがいない状況だったそう。当初は経理の小口現金管理というアルバイトで参画されたそのまま兼務でデザインなど企画にも携わられた。

Soup stock tokyoのブランド作りのためのインハウスでブランディング・グラフィックディレクション・プロダクトディレクション担当され、国産木材をベースとした美しい店舗デザインを各地で実施される。
スマイルズを離れられた2013年には売り上げ約78億に拡大

2014年には千葉県「市原アートミックス」での食のプロデュース「なっぱすごろく 駅弁」プロジェクトのディレクションも担当され、そのパッケージデザインは高校の美術の教科書に掲載されたり、TOPAWARDS ASIA等の国際的な賞も受賞されるなど高い評価を得られています。

”小湊鉄道の3駅でそれぞれ地元の方に駅弁の製造と販売を委託し、芸術祭の食を提案 提供


雨上株式會社のお仕事


”日本の地方にある価値を見つけ出して、
「人やお金を循環させる仕組み」
を作る仕事をします。”


2014年に雨上株式會社を立ち上げ、滋賀県高島市を拠点に”地域ブランディングプラン”の策定と実施および情報発信をミッションに活動されている。

都市部からアクセスが悪すぎず、開拓の余地がある地域で、国産木材のお仕事関係でご縁があり高島市を対象とされたそう。

書ききれないほど、多数のプロジェクトを実施され、高島ブランディングを実施されていますが、ポイントは以下の5つだそう。

1、小さく、数多く続ける 
2、同じ視点で見て話す
3、共感のネットワークを作る
4、集めて、編集する
5、いろいろな手段を重ねる

住民の視点で、根気強く、重ねた情報発信、シンプルだが実践するのは相当な覚悟がいるのだと感じた。

琵琶湖の湖畔の美しい景観から地域文化や人の繋がりを美しく編集プロデュースされており、どこも訪れたいと思うような場所であった。

びわ湖の見える丘プロジェクト


次世代漬け物「10% I am」


最後に質疑の際にお話くださった、平井さんのデザイン感には感銘を受けた。

平井さんがムサビで学生をされていたのはバブルでお金が余っている時代。
世の中にはものが溢れこれ以上新しいものが必要ないと感じていた。

そんな中、美大の授業では、たくさんのものづくりの課題が出てくるので、反発するような作品を作る問題児のような存在で、成績では評価されなかったそう。

その時は作ったものより、作られたものがどうなるかを知ることが大事だと思った。考えを進めると行政の政策や科学的な技術の話になってしまった。
結局、煮ても焼いても食えないという感覚から、ゴミを料理にして出すという卒業制作を制作された。

そして、ものを買う人使う人は悪くなく、作った人に最大の責任があると考えるようになったそう。
ものをつくる立場になったら、自分がいらないものを作らない。その人が本当に必要だと思うものならつくるし、自分が本当にいいと思っているものだけをつくる責任感を持たれた。

そうしたマインドでものづくりやディレクションに向き合われているからこそ、人の心を動かすような美しいデザイン・演出が出来上がるのだなあと感じた。


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