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生きる

40を越えた頃から父親よりも年上の御大と知り合う機会が多く、結構かわいがってくれる。出来の悪い息子みたいなもんなんだろう。小遣いくれよ。

昭和10年前後の石原慎太郎世代とでもいおうか。とはいっても、まだまだ仕事をしている現役組ばかりで、80歳近いのに元気というのは元々の人間の出来がいい人が多い。

僕が話の引き出しを開けると、どんどんネタが出てくる。やっぱりバリバリやってきた人というのは話を膨らますのもうまく感心する。

そんな中で最高だったのは、もっと上の世代になるけど鈴木亜久里さんの亡くなったお父さんの話。

ヤマハの整備マニュアルを亜久里パパに借りパクされていて、まあでも御大だから、あげたつもりでいたんだけど、顔見るたびに「おまえにヤマハのアレ返さにゃいかん!」といわれていた。

果たして亡くなった後に近い人から返却されてきた。遺言でもあったのか?

亜久里パパの昔話の内容はやばすぎて、やたらに口外できないけど、心の中に仕舞っておくとどんどん忘れてしまうのが残念。

本田宗一郎さんをぶん殴った話とか、ジジイになってもアカデミー女優をナンパした話なんかやばすぎる。

リスペクトできるダメ人間であった。

といういうのはもう10年前の話である。
文中に出てくる戦中世代の怖い先輩方は、ほとんどが三途の川の向こう側へ渡ってしまった。

現在は団塊の世代の怖い諸先輩方に可愛がっていただいている。未だに日本転覆計画(国政選挙)の野望遂行中だったり、未だにバブル脳であったり、大きな声が世の中を制すると思ってらっしゃる節があり、観察していて面白い。

団塊の世代は、力が全てを支配すると考えていた最後の世代であろう。高度成長時はもう開戦当時のイケイケの日本軍状態だった。

そしてあと10年もすると、下駄をはかされれて社会に送り出された、真の戦犯である我々バブル世代が、晩節をいかに過ごすかの価値を問われるだろう。ハラスメント全盛期の価値観は何の役にも立たない。

何よりも自分の身の丈を超えたポジションに送り込まれ、確かにチャンスには恵まれてはいたが、チャンスはピンチであるという事を思い知った者も多いだろう。

そのようにして、今ひとつ信用されていない我々バブル世代であるが、自分の事は思い知ってはいるので、老害で晩節を汚す事のないよう心して過ごしていきたい。

せめてもの未来への償いだ。

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