pooteen
いつまでもたくさん
noteで面白かったストーリーや動画など
盛り場の外れにある公園の横に車を止めた。土曜の26時。公園の地下には駐車場があり、仕事を終えた夜の蝶たちがときおり、遣れた香りの尾を曳きながら地下へ消えていく。 02:01 冷たい空気の中からヒールの音が聞こえてきた。 ピンヒールに慣れていないような、濁ったリズムの悪い足音だ。 違う。 横目に足音の主を流すと、新人のようで着こなしもパッとしないし、おぼつかない足音と同様に姿勢も悪い。新人の泣き言を受け止めてくれる相手はいるのだろうか。 そんなことを考えていると、後部座席
一昨日の晩に、カメムシが服の中に入るという呵責に遭った。 車をスタートさせると、首裏にカサカサモゾモゾと違和感を感じた。なぜかカメムシだとわかった。今年大量発生している。 でも気のせいだと思いたかった。 否 悪い予感は当たるものである。数秒後に右脇から肩甲骨にかけカサカサモゾモゾと… こいつ、動くぞ… いやガンダムごっこしてる場合ではない。 地獄だ。 服の上から物体をつまむ。 嗚呼、この大きさ、固さ、動き… 手触りは間違いなく緑色の悪魔だ。 そっと掴め。悪
死んだ明治生まれの広島の爺ちゃんは、真っ直ぐで正義感が強く頑固で、大きな背中の男だった。 およそ組織向けじゃなかったと思うし、仕事でどうしても許せない事があると仕事をボイコットして2週間炬燵から出なかったこともある。 上司が自宅まで呼びに来ても追い返して婆ちゃんをずい分と困らせた。公社なんだけどそんな社員も大切にする懐の深さもあったんだろうし、爺ちゃんも頼りにされていたのだろう。 徴兵で大陸に戦争に行って負けて、ソ連に抑留されて10人に1人が死んだ労役についていた。自動
不思議な夢を見まして。 配慮やら保身で心に秘めていた真実を吐露していくと、引き延ばされた袋小路が開けていくような夢。 押井守の『うる星やつらビューティフルドリーマー』ように。 線路沿いの道を近道しようとして行き止まりで、引き返すと、突然舞台が変わりなぜかブリジストンのビルの中で色々な人に糾弾されている。 そこで諸星あたるのように愛を叫ぶと、なぜかしのぶちゃんみたいな子にゲボを引っ掛けられて、最悪やーと思いながら、シャワーで流して荷造りを始めて、ビルの階段を下り始めるの
出張先のホテルのBS放送で『夕陽のガンマン』をたまたま観たのですよ。 まともに観たことがあるのかどうか、定かでないぐらいに久しぶりに。途中からだったのですが、映像だけですぐ『夕陽のガンマン』だと分かります。 『夕陽のガンマン』 1965年のイタリア制作の西部劇。 監督 セルジオ・レオーネ 出演 クリント・イーストウッド リー・ヴァン・クリーフ ジャン・マリア・ヴォロンテ。 今の目で観るとストーリーは稚拙でどうという事はないし、ノロノロとした展開で少し退屈して
夏の妻籠宿で撮影していたらたまたま写り込んできた女性。 いうなれば無断撮影の無断公開なのですが、本当に素敵な一枚だと思うのです。大目に見ていただけると嬉しいです。
40を越えた頃から父親よりも年上の御大と知り合う機会が多く、結構かわいがってくれる。出来の悪い息子みたいなもんなんだろう。小遣いくれよ。 昭和10年前後の石原慎太郎世代とでもいおうか。とはいっても、まだまだ仕事をしている現役組ばかりで、80歳近いのに元気というのは元々の人間の出来がいい人が多い。 僕が話の引き出しを開けると、どんどんネタが出てくる。やっぱりバリバリやってきた人というのは話を膨らますのもうまく感心する。 そんな中で最高だったのは、もっと上の世代になるけど鈴
飯田線温田駅にて 山のむこうの入道雲が、美しく冠雪した富士山みたいだった。
TONE TOOL トネツール 当初はトーンツールだと思ってました。 18歳でヤマハのRD50を買った時に、亡き広島の祖父がトネのメガネとボックスのセットを買ってくれて、トネとはその頃からの40年来の縁です。 プロになってからはずっとメインはスナップオン。 腕と経験がないとハッタリも大事なのです。もちろん質実剛健の良い工具ですし、永久保証なのでプロユースにはいいですね。 たとえばコンビレンチ。スタビレーやハゼット、マックも個性的でとても良いのですが、やはりメイン
ヤマハのMT10が開発段階では片持ちのスイングアームが検討されており、エグいカッコ良さだったと聞きます。 ドカティは916系から片持ちスイングアームを採用しレースも含めマーケット的には大成功しました。ネガは色々とありましたが、なんといってもカッコ良かった。 次世代の999系では両持ちスイングになりました。操安的には良くなりパフォーマンスは上がったのですが、巨匠タンブリー二の傑作、916系の流れを断ち切るテルブランチのデザインに、マーケットは拒絶反応を示しました。 産まれ
あっという間だった。 僕の同級生の御茶ノ水くんは今年の誕生日で60歳になる。 幸いな事に御茶ノ水くんの社会復帰プロジェクトは、それなりの成果は出たのではないか。 正規となり、不恰好ではあるが会社の中で自分の居場所を見つける事ができた。何よりも永遠のペーパードライバーだった彼が、何とか人に迷惑かけない程度に運転が出来るようになった。プロボックスが一台お釈迦になったが、成し遂げるために犠牲はつきものなのである。 60歳を迎える御茶ノ水くんはすっかりマイルドになり、10年前
大好きなイタリアンレストランのシェフが、僕の事をお客さんに紹介してくれる。それはそれでとても嬉しい事なのだけど、いつも困惑してしまう。 pooteenはバイク屋さんで、作ったバイクがレースで日本一になった事がある。 もちろん本当の事なんだけど、きっと普通の暮らしをしていて、イタリアンレストランでナチュールワインを飲んでいる人々にはピンと来ない話だろう。世界選手権でヨーロッパを転戦し、グラデュエーターと闘ってきた侍のような冒険奇譚でもあれば、皆を楽しませ、ナチュールワインを
東山線の伏見駅で乗ってきた女性がまるで待ち合わせのように傍にきた。彼女の右肩が僕の左脇の位置に収まった。 2330 終電に近い。金曜の夜の淵で車内はかなり混雑している。 彼女はスマートフォンを操作しながらまわりの人に身体を預けるように立っていた。電車が揺れるたびに誰かに寄りかかる。僕の反対側の女性はそんな彼女を怪訝な表情で一瞥した。 懸命にスマートフォンを操作する彼女をこっそり覗いてみると、彼女はアラーム5時30分にセットしている。 オッケー上手くできた。 安心した
遠方からの客人との一席で、名古屋の飲食店の予約で電話した。 「自動音声AIによる予約システムです…」 瞬時にバグる自分。キーボード入力なのか。 「ご予約ですか ーー沈黙ーー 」 「あ、はい」 「ご希望の日時を…」 「(すげ音声認識だよ)あ、本日19時から2名で」 スムーズに予約完了でき食事もできた。すごいシステムだ。AIなら瞬時に予約可否の判断もできるし感情のブレや不正もない。もうひとつ気がついたのは、そのお店は外国人観光客のお客さんが多かった。しかも多民族。な
追記 村上春樹さんは現在は大磯に住んでらっしゃるのですね。 何ということなんでしょうか。 島崎藤村も晩年は大磯に居を構えていたのです。これって偶然ではないですよね笑
「…」を多用する人は苦手です。 特に … だけとか おまえらの行間なんか読めるわけないだろ笑 それとテキストの使い分けといいますか、手紙、Eメール、ショートメール、LINE、インスタ等々、色々使ってます。文体や句読点の使い方などはツールや相手によって変えています。 特にLINEは基本1行最大3行ぐらいかな。挨拶、結び、句読点なし。()も絵文字もなし笑。 インスタは文体や内容によって句読点や改行を変える。嫌いなのは短文節多改行のアメブロスタイル。 読点無し改行な