「燃ゆる女の肖像」感想(前編)窃視の時代を生きた女性の姿
総評(ネタバレなし感想)
この映画は愛の映画だ。誰かが、誰かをおのれの世界に受け入れることのうつくしさを描いた映画だ。しかもそれを、身体という次元と言語という次元にまたがって生きている人間存在を描きながら表現したおそろしい映画だ。
そしてこれは、女性の映画で、同性愛の映画だ。自覚的に女性の抑圧を時代背景として取り入れながら、しかい映像では決して直接は映さず、行為を通じてその抑圧を表現しながら、現代よりもはるかに厳しい抑圧のなかで生きた同性愛者の女性のすがたを伝えた。
傑作だ