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2024年秋のおすすめワイン②

 朝晩すっかり涼しくなって、とても過ごしやすくなりました。
夏場の厨房は地獄のような暑さでしたが、やっと一息です。
 この時期、店で扱う白ワインもいわゆる「爽やかスッキリ系」から少し厚みのある華やかなタイプに移行していきます。

Ferro di Cavallo La Giribardina
フェロ ディ カヴァッロ【生産者:ラ ジリバルディーナ】

素敵なデザインのラベル

 産地はイタリア北部ピエモンテ州の「Monferrato モンフェラート」。
ピエモンテの州都トリノ、隣の大都市ミラノ、南にある港湾都市ジェノヴァを結んだ三角形のちょうど真ん中辺りに位置します。

 品種は「ソーヴィニヨンブラン」
 世界の色々な場所で栽培されているブドウで、特に知られているのだと
・フランス…ロワール地方(サンセール、ピュイィフュメ)
 →カチッとしたミネラル感とシャープな酸が特徴。
・フランス…ボルドー地方
 →他の品種とブレンドされることが多い。貴腐ワインにも使用。
・ニュージーランド…マールボロ、ワイパラ
 →柑橘、パッションフルーツ。ふくよかなタイプが多い。
・イタリア…フリウリ=ヴィネツィア ジューリア州
 →熟したレモン、洋梨。旨味とコクがある。
などが挙げられます。

 一般的にソーヴィニヨンブランは「青い香り」が出やすいと言われています。これは「メトキシピラジン」という化学物質から出る独特の香り。ちょっと「ピーマン臭」や「熟す前のトマトのヘタ」的な、存在感があり過ぎるとあまり好ましくない香りです。
これはブドウが十分に成熟していない場合や、収量制限をせずに造る大量生産型のワインによく見られるものです。

 なので畑仕事を重視し、ブドウの適正管理を徹底する造り手のソーヴィニヨンブランには、この青臭い香りが出ることはまず無いと思います。もちろんこのワインにも。

 ラベル表記のアルコール度数は14.5%。白ワインとしては結構高いです。
これが味わいの「まろやかさ」「ボリューム」に繋がるんですね。
香りは桃、メロン、ハーブ、加熱した柑橘(金柑ジャム)。
酸が尖っていないので、当たりが柔らかく飲み心地がすごく良いです。
全体的に大らかと言うか、凝縮感があってしっかりしているのにリラックスした印象のワイン。苦手な人があまりいないタイプだと思いますので、プレゼントにも向いてますね。

煌めきのある液体

これからシーズンの甲殻類や帆立、脂の乗った白身魚をハーブと一緒に焼いた料理。軽めのパスタ。鶏肉、フレッシュなチーズ。塩気のあるハムやフルーツなどに合わせると最高です。

グラスは、香りが縮こまらないように出来れば大きめのものがおすすめです。
温度も「キンキン」ではなく、少し上げると(10℃~12℃)より全体にまとまりが出て美味しくなると思います。

mesa では「鱧とすだちのペペロンチーノ」と

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