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2024年秋のおすすめワイン①

少し前までの蒸し暑さは何処へやら…あっという間に気温が下がりましたね。
陽が落ちると肌寒くて、帰宅時は一枚羽織らないと自転車通勤が辛いです。

今シーズン、ここまではずっと爽やかでスッキリ飲める白ワインが食卓のレギュラーでしたが、やっと赤ワインにも打席が回ってきました。
でもまだ、そこまで濃密で重厚な赤は求めて無いかな…と。
そこで今飲みたい、飲んでもらいたいタイプと言えば最初に思い浮かぶのは
『明るめで酸がきれい、果実感も程よいサンジョヴェーゼ』。

Rosso di Montalcino 【Altesino】
ロッソ ディ モンタルチーノ【生産者:アルテジーノ】

シンプルで美しいラベル

トスカーナ州の南部に位置する産地「Montalcino モンタルチーノ」。
イタリア屈指の高品質ワイン産地で、代表銘柄の『Brunello di Montalcino ブルネッロ ディ モンタルチーノ』は古くから「イタリアワインの女王」と称されています。
使用品種は「Sangiovese Grosso サンジョヴェーゼ グロッソ」(通称 Brunello ブルネッロ)のみで、他の品種を混ぜるのはNG。
この辺に、北部のBarolo バローロやBarbaresco バルバレスコと同じ「単一品種ゆえの美しさ」を感じます。

ただ、Brunello di Montalcinoは熟成期間が長く(最低2年間の樽熟成+瓶熟成。販売開始までは5年待たないと駄目)、価格も高価です。デイリーに楽しめるワインでは有りません。
そこでオススメなのが、Brunello di Montalcinoの「リトル・ブラザー」こと『Rosso di Montalcino ロッソ ディ モンタルチーノ』。
使うブドウは同じですが、造り手によっては植樹してから年数が経っていない、所謂「若木」のブドウを使ったりします。またヴィンテージが良くない(天候不順など)時にはあえてBrunello di Montalcinoを生産せず、全てのブドウをRosso di Montalcinoに回すこともあります。
Rosso di Montalcinoの熟成期間は短く、1年程で市場に出るものも多いので、価格的にも手に取りやすく、果実のフレッシュ感も楽しめます。

そしてこの時期にオススメする一番の理由は「香り」。
赤いフルーツ。ちょっと土っぽい香り。地中海のハーブ。香ばしいキノコや皮の香り。
ずっと嗅いでられそうな素敵な香りが鼻腔を抜けていきます。

とにかく香りが良い…。

料理の相性としては、お肉を使った料理全般。ハムやサラミ、肉団子。肉のラグー、ボロネーゼ。焼いた牛肉にも(ガッツリぶつける、というのではなく、肉の脂をサラッと流しつつ香りと旨味を増幅させる系)。あと豆のスープ、キノコのロースト、トマトソース、バジルやローズマリー。芋などの根菜類。一般的なチーズ。
非常に守備範囲が広いワインです。
合わない食材としては非加熱の魚や、酸(ビネガー)の効いた前菜。
まあその辺りはトップバッターの白ワインで対応して頂いて、3回表からの登場でいいかもですね。

炭火焼きの牛肉と、なんて最高。

グラスは大きめのボルドータイプ(縦に長い形)が一般的ですが、個人的にMontalcinoにはブルゴーニュタイプ(バルーンの形)が好きです。
それなりにエキス度とアルコール感があるので、小さいグラスは窮屈になるのであまりお勧めしません。

決して「スゴいワイン」ではありませんが、暖かい食卓を囲んでみんなで楽しむには最高の選択じゃないでしょうか。
飲んだらきっとほっこりして「イタリアワインっていいな」と思うはずです。


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