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惨めなときを凌ぐ 【138/1096】

ネガティブがポジティブかといえば
わりとポジティブに生きてきた
"角度変えればまたいい感じ"
パフィの歌詞のように
すこし角度を変えるだけで
考えも見え方も変わって
ちがった一面が見えてくる
星の王子さまは
すこし椅子をずらしては
何度も夕日を見たって言うし
ずらしたり変えたりは
すこしで恩恵をくれるって
信じて生きてきたよ

きみのことも
いろんな角度から
いろんな玉を考えて
投げたり転がしたり
はねさせたり時にフェイクいれたり
いろいろ変化させてきたつもり
いい面を信じて進みたかった

嬉しくないことも苦しいことも
なんでもかんでも受けとめて
"全部抱きしめてきみと歩いていこう"
なんつって
歌に励まされて励まされて
ここまでやってきたんだよ

"もうダメだと思うことは
今まで何度でもあった"し
"諦めたら試合終了だよ"って
ほんとにそうだよなーって
いろんな言葉に救われた
ポジティブのために
自分をつねに鼓舞してきたの

その技がここのところ効かない
励ましのお言葉がとどかない
元気になれず
惨めさがからだ全体に滲んでいく
暗いもやになって
世界を覆っていくようだ
外は晴れ
木漏れ日が差し込む室内
暖房がきいて暖かい
ときおり溢れる笑い声
そんな中で
暗い気持ちの顔を
マスクに隠して人に接している
黒く重いオーラを押し込めて
表面的に明るく振る舞う自分に
また嫌悪がつのる
いまは仕方のないことなのに
罪悪感と正義感で
自分を責めつける
追いやってまた惨めになる
誰かと比べなくても
充分などうしようもなさ

それでも体は元気だし動ける
声も出せるし笑うこともできる
人にやさしくもできるけど
マスクの下の無表情の
冷えた気持ちが変わらない
こんな惨めな気持ちになったのは
はじめてかもしれない
少なくとも
きみと出会ってからはなかった

惨めさは自業自得からくるもので
なにも守るものがない
自分のいたらなさや無力さ
無価値観を加速させ
また惨めさを増していく
そんなことないよ
なんて言葉はなんの役に立たない
自分で自分を蔑み首を絞め
あざ笑って踏みにじる
もうダメだと何度も思わされる
恐ろしい行為だと思う

幸い 夕飯を作ることで脱した
なにか達成感のあることをすると
ふっと抜け出せる
なんでもいいから
人の役に立てたら解消される
すこし目が覚める
人にお礼をいったりするのも
いいと思う
感謝すること
喜んでもらうこと
すごく小さなことでも
救われる
言葉でなく行為
人とのやり取り 繋がり
それだけが頼りの綱になるときがある
ねこでもいいかもね

気づけてよかった
抜け出せてよかった
あのままいたら
闇は深まり いわれのない
罪を人や自分に着せて
どんどん暗闇へ進んでしまっただろう

あなたの望みはなに?
何のために生まれた?
わけわからん問でも
闇に堕ちたくて生きてないはず
ときおりそういう人も
いるけれど
きっとあなたは違うはず
わたしも違うはず

ふと軽くなるための行為を
なんでもいいからやって
自虐の考えから抜け出そう
ひとときの休息を
明日がまたやってくる
明日をともに迎えよう

今日もありがとう
きみの明日はなくなったんだね