空想お散歩紀行 ウーブンなシティ
吾輩は猫で・・・あるような、ないような。
吾輩は元猫であるというほうが正確かもしれない。
今や吾輩の体の半分は機械になっている。つまりサイボーグ猫である。
気が付いたら手術台の上でこの体だった。それより前に何があったのかは覚えていないが何かあったのだろう。
それよりも気になることがある。
吾輩を手術してくれたこの人間も、人間と言えるのだろうか?
体は間違いなく人間なのだろうが、頭だけ機械となっている。
そして今吾輩のいるこの街。ここはどこだろう?
ここにいるのは全て吾輩と同じ。生命と非生命の間にいる者たちばかり。
サイボーグ、意思を持った人形、そんな存在だけがいる街。
彼らは互いに協力しあい生活をしている。
不安定なようで安定しているこの街で新しい猫生が始まる。
吾輩はたぶん猫である。名前はまだない。
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