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空想お散歩紀行 知られることない輝き

あるところに、30人の兄弟がおりました。彼らは毎日毎日、順番にそれはそれは広い広いステージに立ち、大きなスポットライトを浴びて輝いていました。彼らの周りには常にたくさんの同じように輝く小さな者たちが、ファンのように寄り添っていました。
しかし、30人兄弟の中に一人だけ変わった存在がいました。他の兄弟たちは皆輝き、その存在を大勢の人たちに認められているのに、ただ一人だけ、その子だけは誰からも見られてはいませんでした。いや、無視されているわけではありません。そもそもどこにいるのかが分からないのです。
兄弟たちとは違う自分に疑問を持ち、その子は旅に出ました。どうすれば多くの人に自分を見てもらえるのか知るためです。
そして今も、その子、月の30兄弟の一人、シンゲツは旅を続けているのです。星々の間を巡り、山や川を越え、いつの日かこの空に輝くために。

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