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それはただ流れて来て、流れて行くもの

どんなにポジティブ思考がいいと分かっていても、

ネガティブでマイナスな思考に陥る時はあるものだ。

どんなにポジティブな人でも、四六時中同じ思考でいられるかというと、

そんなわけはない。

どうしたって感情に波は付き物だ。

重要なのは、ネガティブの波が来たら、それからどれだけ早く脱することができるかどうかだ。

スッとその波から離れるか、それともずっとその波に乗っているか、

それが、ポジティブな人と、ネガティブな人との差だと考える。

ポジティブとは、ずっと前向きなことではなく、

ネガティブから瞬時に離れることができる人だ。

では、どうすればそうなれるのか。

それは、どんな心の中の感情や、周りの状況でも、

それ自体は一瞬のものに過ぎないことだとしっかり自覚することだ。

ネガティブな人は、何か悪いことが起きたり、ふと昔の失敗した経験や、嫌な目に会った経験を思い出したりして、気持ちが落ち込む。

さらには、未来のことを考えて落ち込む。

そして、それをずっと引きずるのだ。

過去に対する嫌な気持ち、未来に対する不安や心配が、これから先ずっと続くように感じてしまうから、余計に疲弊してしまう。

だが、さっきも言ったように、感情の波なんて一瞬のものだ。

現に、今この瞬間も考えていることなんて次から次へと変わっている。
ただ、それに気付いていないだけで。

川を眺めているようなものだ。
同じ川のように見えるが、中身は常に変わっている。
「しかももとの水にあらず」だ。
だけど、そのことには気付きにくい。

そこに枝や葉っぱが流れてくると、それに目を奪われる。

それが川上から流れてきて、川下に行く様子をつい目で追ってしまう。

これが、特定の思考に囚われる様子だ。

流れ続ける思考の流れに浮かんできたゴミに、ずっと気を取られているわけだ。

放っておけば、ゴミはただ流れて、そしていつの間にか見えなくなるだけなのに、

それにばかり目を取られ、それにばかり気を向けてしまっている。

だから心の中に、どんな心配や不安、怒りや悲しみが湧いて来たとしても、

それを否定して、

こんなことを考えてはダメだと、自分を責める必要はない。

どうしたってゴミは流れてくる。
大切なのは、ネガティブなことを感じないことではなく、
感じたネガティブなものは、放っておけばそのまま流れていくことを知り、ただそれを眺めていればいい。

間違っても、自分から掴みに行くことはしない。

結局、ネガティブな感情とは、他人や周りの環境から与えられるものではなく、

自分の中に湧いてきたそれを、自分から掴んで、自分から離さないようにしているものなのだ。

放っておこう。
ネガティブを、何とかしよう、解決しなければと、取っ組み合いになるから、
かえってがんじがらめになるのだ。

そっと手放せば、あとは流れに乗って勝手にどこかに行ってしまう。
流れていく先のことなんて考える必要はない。
だって、もうここには無いのだから。

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