未来も過去も無い
ただ今に在る。
これがどれだけ大切なことか、理屈では分かるような気がする。
とにかく、人は思考がすごすぎる。
その思考がいろいろなものを世界に生み出している。
物語もそうだ。誰かが作ったストーリーは、そのままその人の思考と言っても過言ではない。
だが、この思考が同時に厄介なのだ。
なぜなら無限だからだ。
一瞬の内に過去に飛ぶことができる。
それも去年だろうと、10年前以上前だろうと関係無い。思考に時間の壁はない。
さらに未来にも飛ぶ。まだ訪れていない未来をそれこそ同時に何パターンも作り出してしまう。
だから、思考はいつもグチャグチャだ。
過去と今と未来が同時にそこに存在している。
そりゃ人は混乱するわけだ。一時も穏やかな心になれなくても不思議ではない。
だが、それでも分かっていることはある。
思考は今この瞬間にしか存在しない。
過去と未来とか思っているものも、決して過去や未来ではなく、今この瞬間の思考なのだ。
ただ現れたイメージに勝手に飾りを付けて、ああでもないこうでもないと騒いでいるのが僕たちなのだ。
だから、今を意識しよう。
ここには過去も未来も無い。ただ今しかないのだから。
今目が見えているもの、今耳が聞いているもの、今手や足が触れているもの、そこに集中する。
そしてそれらを判断しない。見えているものが綺麗だとか汚いとか、聞こえているものがうるさいだとか、心地いいとか、判断しているのは思考だからだ。
不安や心配が心に浮かんできても、
ただ、ああ浮かんできたなあと見るだけ。判断はしない。
こんなこと考えちゃだめだ、とか。
もっとポジティブなこと考えなきゃ、とか。
たぶん本当の意味でのポジティブ思考というのは、いちいちポジティブとかネガティブとか判断せずに放っておけることを言うのだと思う。
判断せずにただ今をそのまま受け入れる。
これは静かな場所でないとできないとかはない。たぶん休日のショッピングモールとかでもできることだ。
今この文章も、少しこの瞬間に集中するように心がけたら、案外スムーズに手が動くようになった。
ついさっきまで、何書こうかなあ、早く書かないと時間ばかり過ぎてっちゃうなあ、と思っていた。
やはり、ごちゃごちゃした思考のままでは行動は鈍るようだ。
悩みや心配ばかりが先行して、常にこちらの前の走っていて、ずっと視界の中にいるようなものだからだ。
ほんの少しの時間でも、何もかも判断せずにただ今にいること。
それを意識していこう。
まあ、すぐにまた不安や心配がやってくるんだけど。
でも大丈夫。ちゃんとそいつらがここにいることに気付いていれば。
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