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空想お散歩紀行 空の上の闇

天界は清らかな所である。
そう考える人間は数多い。しかし実体はそういうわけではない。
天界に住んでいる者たちにも心はある。
心があるということは、そこに善もあれば悪もある。
だが地上に住む人間たちと同じように、天界に住む者たちも、特別善でもなければ悪でもないのである。
善か悪か、どちらかに振れている存在がよく目立つというだけなのだ。
だから、白と光がイメージの天界にもドス黒いスペースは存在するのである・・・
「突入ッ!!!」
「全員動くなッ!そこ!動くんじゃない!!」
屈強な体と装備に身を固めた男たちが、とある店内に突撃した。その体の大きさから背中の羽が小さく見えるほどだ。
天界警察パルテノン市警堕天対策課。通称マル堕。
地獄への堕天まではまだいかなくとも、そう遠くない未来、堕天使になってしまう恐れのある者たちを取り締まるグループである。
今回はそんな准堕天使(警察用語でジュンダ)が経営する違法カジノへとマル堕が突入したのである。
巨大な入道雲の内部に巧妙に隠れることによって作られていたカジノ。1年にも渡る捜査から場所を割り出し、経営責任者が店にいる時間帯も突き止め、ついに突入するための令状が下りた。
事前のシミュレーション通り、各捜査員が速やかに現場を確保。店員から客まで速やかに取り押さえることに成功した。
この時、我々取材クルーは初めて、突入班のリーダーの表情に少しだけ安堵が浮かんだところを見たのだった。
しかし、これで終わりではない。この違法カジノはあくまで入口である。
このバックにはさらに巨大な闇が待ち受けているだろう。今回は巨大な巣穴の、そのほんの一つを潰しただけなのかもしれない。しかしそれでも立ち止まるわけにはいかない。
天界の明日を守るために、また戦いの日々が始まろうとしていた。
~天界警察24時~
次回、カミ詐欺。全知全能の神を騙って金品をだまし取る卑劣な手口。その意外な犯人グループの実体に迫る!

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