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失敗はみんなへの贈り物

できれば失敗なんてしたくない。

大成功とまではいかなくても、少なくとも大きな失敗のない、何事も無く事が進むならそれに越したことは無い。

多くの人にとってそれが普通だろう。

失敗なんて、嫌な気分になるし、惨めだし、周りからの評価も下がるかもしれないしで、

できることなら避けたいものだ。

だけど、失敗したときの方が記憶に残るのも確かで、自分を成長させてくれるのも、

成功したときよりも、失敗したときの方が大きいかもしれない。

だけど、やっぱり失敗はしたくない。

そんなとき、他人の失敗はある意味有り難い。

他人の失敗は、自分が見えなかったものに気付かせてくれる。

例えば、芸人の松本人志が語った失敗談だが、

ある時、ファンからメモを渡され、

そこに、自分は聴覚障害だけど松本さんのファンです。握手してください、と書かれていた。

そこで松本人志は握手に応じ、ありがとうと声を掛けたが、

その時マスクをしていたことを、家に帰ってから気付き、なんて自分はバカなんだと思った、という失敗談。

芸人にとって失敗は一つの笑いのネタになるようなものだからこそ、このように本気で反省したという話は聞く人間の心に響く。

他人の失敗は、もし自分が同じような状況になったらどうすればいいかという事前に対策をする猶予を与えてくれる。

だから、他人の失敗を笑うようなことはしてはいけないのだ。
その失敗は、いつか自分に来るかもしれないのだから。

逆に考えれば、自分が失敗したときでも、これまでのように、ただ惨めな気持ちになるだけではないことが分かってくる。

自分の失敗は、自分の成長のためだけではない。

誰かのためにもなることなのだ。

確かに、自分の失敗を他人に伝えることは勇気のいることだ。できれば隠しておきたいと思うのも無理はない。

今すぐには無理でも、いつかどこかで自分の失敗が誰かのためになるときが来ると、

心の片隅にでも置くようにしておけば、

何か失敗したときでも、必要以上に落ち込んだり、自分で自分を卑下したり、激しく動揺したりすることも減って、

少しは冷静になることができるのではないだろうか。

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