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【仮説】ラウル・ソニアのハイラル王国建国は『スカイウォードソード』の時代より前【ゼルダの伝説】

どうも、流-ながる-です。

2024年9月26日、『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』が発売されますね。公式より公開されたよゐこさんのプレイ動画を見て「自分にも出来そうだ」と期待を膨らませているところです。

その前に、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のマスターワークスを手に入れまして、新しいゲームの感想が浮かんできましたので、まとめようと思いました。ただし! マスターワークスは情報量が膨大でまだ読み切っていません……。

ゲームの内容にかなり触れていますし、作品をプレイ済みの方しかおそらくわからないようになっているかと思います。また、断定的な書き方をしていますが、すべて想像あるいは妄想、一個人の感じ方と思っていただきたいです。

いくつかの作品のネタバレを含みます。ご注意ください。あと単純に長いので、お時間のある時に楽しんでもらえればと思います。どうぞ。








前提

大仰なタイトルをつけてしまったが、要するに感想文だ。ゼルダシリーズをすべてプレイしたわけではなく、むしろシリーズの半分もプレイしていないというぐらいである。それでも、時系列について考えるのは楽しい、ということで今回考えてみることにした。
時系列について考え始めると、あまりにゼルダ史は長く煩雑になると思われるので、テーマを絞り、『ティアーズオブザキングダム』で描かれた"ラウル・ソニアのハイラル王国建国の時期は『スカイウォードソード』よりも前である"という仮説について考えてみたい。

仮説について考える前に、前提を2つ定めたい。この前提をもとにした仮説である。

  1. 『ブレスオブザワイルド』及び、『ティアーズオブザキングダム』は『時のオカリナ』で分岐する勇者敗北ルートを辿った先の未来とする

  2. 『ブレスオブザワイルド』及び、『ティアーズオブザキングダム』のゼルダ姫には封印の力、光と時の力が宿っているものとする

このテーマを言い換えれば、なぜ『ティアーズオブザキングダム』のゼルダ姫には封印の力と光と時の力が宿っているのかという謎の答えを探すものである。
ここからは、以下の3つの視点で、考えていくことにする。

  1. トライフォース

  2. マスターソード

  3. ゼルダ姫の力

トライフォース

トライフォースは触れた者の願いを叶えるともされている。また、神が"触れた者の願いを叶える力"を行使することはできないという制約もあった。このトライフォースがこれまでのゼルダシリーズでは大きな役割を数々果たしてきたことから、シリーズにおいても非常に重要であると言えるだろう。
さらにトライフォースは世界を成り立たせるものとして存在しており、トライフォースはすなわち世界を示す。
トライフォースについて、『ティアーズオブザキングダム』をもとに考えてみたいと思う。

伝承

伝承について考える時、『ティアーズオブザキングダム』においては、2つのケースを考える必要がある。ラウル・ソニアのハイラル王国建国期(ゲーム内の過去の世界)と現代である。

仮説では、『ティアーズオブザキングダム』で描かれたラウル・ソニアのハイラル王国建国は『スカイウォードソード』よりも前の時代であるとしているが、その逆であるケースについて想定すると、ソニアの一族が『スカイウォードソード』における女神ハイリアの転生であるゼルダの子孫である可能性について考えられる。その場合は、トライフォースの伝承がされているかもしれないという想像が出来るものの、伝承がされていたとしても、封印戦争においてそれが作用したかというと作用したとは言い難い。
トライフォースは"触れた者の願いを叶える力"があり、魔王ガノンドロフの討伐を目的とした封印戦争においてそれを使用しようとする気配がまるでなかった。討伐においてラウルが使用したのはゾナウ族が所有する秘石であり、トライフォースを用いる案さえも浮かんでいない。トライフォースの在処が全く分からなかったからだろうか。

今回は、ラウル・ソニアのハイラル王国建国は『スカイウォードソード』より前であるという仮説を立てているので、トライフォースはこの時代には伝承されていないとしている。
もし仮に、ソニアの一族がトライフォースの伝承を行なっていたとした場合、ソニアはトライフォースについてラウルやミネルに何も話していない、あるいはソニアでさえトライフォースについては伝えられていなかったということになる。ソニア自身はハイリアの巫女であり、神聖な力をその身に宿していて、デザインを歴代ゼルダに寄せてある点からしても、一般的なハイリア人とは考えにくい。ソニアの発言からもトライフォースの存在を知らないと判断したほうが、自然なのではないかと考えた。
ソニアが知っていたと仮定した場合、一族の掟によって、ラウルからゾナウの秘石を託されても尚、トライフォースについては秘匿しなければならず、伝えていなかったとなる。この点については、魔王ガノンドロフが誕生したのがソニアの死後ということになるので、ソニアがラウルやミネルにトライフォースの伝承を教えていなかったという仮定もあり得ない話ではないものの、どちらにせよトライフォースの伝承はないに等しかったと考えた。
ここで、伝承がなかった理由について、『スカイウォードソード』において初めてトライフォースは神より人の手に渡ったからであるとした。

次にゼルダ姫である。彼女にもトライフォースの伝承がされていないのではないかと考えた。なぜかというと、『ブレスオブザワイルド』においても、”トライフォースの力を使い厄災ガノンを討つ”というニュアンスの発言はゼルダ姫及びハイラル王にもなかったからである。そうして『ティアーズオブザキングダム』においても彼女の口からトライフォースについて語られることはなかった。トライフォースは存在しているが、伝承はないと考えていいだろう。

トライフォースは違った形で伝承されていたと考えている。それは封印の力としてだ。実際に厄災ガノン討伐時には彼女の手の甲には輝かしいほどにトライフォースが現れていた。トライフォースの力はいつしか封印の力と呼ばれるようになり、歴代の継承者の”願い”が作用して封印という形で願いが叶えられてきたのではないだろうか。それがトライフォースであることは伝承されなくなったと考えた。
なぜ、トライフォースの伝承は欠落したのか、これについては、後述する。

どちらのケースにおいてもトライフォースは存在しているし、その加護を受けているといった場面もあるだろう。しかし当人たちにはトライフォースについての伝承はされていないということになる。

女神ハイリアの動向

女神ハイリアとトライフォースについて考えることが、今回の仮説の重要事項だろう。前提としたいのは、女神ハイリアはトライフォースの管理を任された守護者であるという点だ。過去のゼルダシリーズにおいては、トライフォースがさまざまな出来事の元凶になっているのであるが、元々は誰にも知られていない、天地を保つための秘宝であったことだろうと考えている。本来ならば、誰にも知られず女神ハイリアによって守られていたものだ。
神には寿命はなく、伝承する必要もない。伝承は神から人の手に渡ってからのもので、人から人へと伝承してく形に変化したとする。神から人の手に渡ることは長らくなかったと思われる。
女神ハイリアはトライフォースを自身で守護し、天地についてはゾナウ族に託し、姿を消したと考えている。姿を消したため、女神ハイリアを信仰していた人々は女神像を造った。ゾナウ族は女神ハイリアに代わり天地を守護したと考える。トライフォースそのものの具体的な力は知らなくとも、トライフォースの形は女神ハイリアの象徴として衣服や刺青に使われた。

歴史から抹消されたトライフォース

さて、現代の話である。ゼルダ姫にトライフォースの伝承がされていない理由についてだ。これについては前提として設定した『ブレスオブザワイルド』及び、『ティアーズオブザキングダム』は『時のオカリナ』で分岐する勇者敗北ルートを辿った先の未来とするをもとに考えたい。
トライフォースはその力の強さゆえにそれをあらゆる人が求めた末の争いごとの元凶になることが多く、かといってそれを世界から消し去ることもできない。トライフォースは世界そのものと言っていい存在だ。その大切な宝についてハイラル王家は限られた者によって伝えてきたが、ある時ふと考えたのではないか。伝承をやめてトライフォースそのものの存在を誰にも認知されなければいいのではないかと。トライフォースが関係する歴史をすべて抹消し、存在はするが存在しない世界を作り上げたということだ。
『ブレスオブザワイルド』で登場した厄災ガノンの誕生後の時代では、厄災ガノンを封印する力としてトライフォースは伝わっていったと考えた。トライフォースの持つ、触れた者の願いを叶える力は誰にも知られることなく、王家の姫に発現する厄災ガノンを封印する力として認知され、安全に伝承されていったとする。

『ティアーズオブザキングダム』の冒頭でゼルダ姫は封印戦争について語った。壁画が目の前にあるのだから当たり前といえばそうだが、その封印戦争とは、ゾナウ族のラウルが魔王ガノンドロフを封じ込めた戦争をさす。
ゼルダシリーズにはもうひとつ封印戦争と呼ばれている出来事があり、それが『時のオカリナ』の勇者敗北ルートで起こった封印戦争である。この封印戦争についてゼルダ姫が一切語ることはなかった。語らなかったのではなく、語れなかったと考えた。その封印戦争ではトライフォースが絡んでいて、トライフォースの歴史を抹消した王家には伝わっていず、ゼルダ姫は必然的に知らなかったと考えた。この『時のオカリナ』の歴史は全く伝わっていないのではなく、断片的には伝えられている。トライフォースが直接関わらない歴史については他の種族も含めて伝わっていたのだろう。

マスターソード

次に勇者の魂とも言えるマスターソードについてである。マスターソード誕生ストーリーは『スカイウォードソード』で詳細に描かれている。この物語はゼルダ史においては、"トライフォースが神の手から人の手に渡るまで"を描いたとも捉えられるのではないかと考えた。また、女神ハイリアに選ばれた勇者によってマスターソードが誕生し、勇者という概念が生まれたと言えよう。勇者のはじまりの物語だ。
これについても伝承から考えてみることにする。

伝承

まず、ラウル・ソニアのハイラル王国建国の時代から考える。マスターソードについては実際に存在を目にすることができるもので、『ティアーズオブザキングダム』では時を超えてきた朽ちたマスターソードをゼルダ姫がミネルに見せるシーンがある。
ゼルダ姫がマスターソードと呼ぶそれを、ミネルは”剣(つるぎ)”と呼んでいる。少なくともミネルにとってマスターソードは馴染みのないもので、その力について語るゼルダ姫の言葉にも半信半疑といった様相だ。ミネルは博識でその居室を見ても多くの本が並んでいる。叡智という言葉がやはり似合うキャラクターだ。そのミネルでもマスターソードを認知していない様子なのである。

時を戻すと、魔王ガノンドロフを討伐せんとした時も、マスターソードについては語られない。『スカイウォードソード』の時代の話が伝わっていれば、終焉の者という邪悪を倒した聖なる剣を探そうとする者が現れてもおかしくない状況なのではないか、しかしマスターソードについての話題は出なかった。
また主観と言われれば仕方ない点でもあるが、ラウルがゼルダ姫から勇者というワードを聞いても反応がさほど大きくないことから、この時代では勇者とマスターソードというものが馴染んでいないとも想像できる。ラウルの反応の感じ方は主観によるところが大きいので、あまり強い根拠とは言い難い。
以上から、ラウル・ソニアのハイラル王国建国時代には、まだマスターソードは誕生していなかったのではないか、と考えた。

現代ではマスターソードと勇者は世界にとって馴染みのあるもので、退魔の剣という呼称もされている。

マスターソード誕生

マスターソードと勇者の誕生は『スカイウォードソード』で描かれた通りなので、ここでは詳細には書かないが、紛れもなくこの作品でマスターソードが産声をあげたとして考えることにする。この剣は、女神ハイリアを起点としなければ誕生していないということは確実だ。

ゼルダ姫の力

さて、いよいよゼルダ姫の力に目を向けることとする。ゼルダ姫にはラウル・ソニアと同じく光と時の力があることは『ティアーズオブザキングダム』で語られている。このことから彼らの子孫であるという点については、確定として考えてみたい。

封印戦争のその後

ソニアがガノンドロフに命を奪われ、ラウルが魔王ガノンドロフを封印し、ミネルが魂となった後の世界はどうなったのか。その後、ハイラル王家、つまりラウルとソニアの子孫が封印された魔王ガノンドロフを監視したであろうことは予測できるものの、大地で暮らしていた人々はどうなったのかについては、想像で語るしかない。
魔王ガノンドロフは大地の集落を襲撃し蹂躙したと思われる。大地は当然荒れ果てたことであろうし、大地に暮らす人々は魔王の誕生後、どこかしらへと逃げたことが想像できる。戦争ともなれば非戦闘員は避難もすることだろう。その先は、ハイラルの外か、あるいは地底かというところか、どちらにせよ大地が魔王ガノンドロフにより荒れたことは確かだろう。
また、封印戦争後の重大な出来事というのは、ゾナウ族の滅亡だろう。ゾナウ族の血は残っているものの、いわゆる秘石を守護する役目を負ったゾナウ族のラウルとミネルは天地からいなくなった。この事態をうけて女神ハイリアが再降臨したのではないか、と考えている。

女神ハイリアの再降臨

今回のテーマの柱である。はじめ女神ハイリアはゾナウ族に天地を任せ、自身はトライフォースを守護する役目に集中した。だが、ゾナウ族がその役割を果たせなくなり、再度天地、主に魔王ガノンドロフによって荒らされた大地を再生すべく降臨したのではないか、と考えた。
『スカイウォードソード』には三龍が登場する。また『ブレスオブザワイルド』及び、『ティアーズオブザキングダム』にも三龍が登場するが、これらは別の存在であると考えている。前者が女神ハイリア系、後者がゾナウ系といったところだ。ゾナウ族が守護していた天地が荒れた後、女神ハイリアが天地を再生したという順であれば、それらの三龍が共に存在していても支障はないと考えている。

女神ハイリアの再降臨は封印戦争の直後であるのか、あらゆる種族が散り散りになってかつての豊かな大地に戻れなくなったと判断してからなのかははっきりとはしない。封印された魔王ガノンドロフを監視する役割を負ったと思われるハイラル王家は少なくとも大地あるいは地底でその役目を全うしたと思われるが、その他のゾーラ、リト、ゴロン、ゲルドについては未知数である。翼やヒレを持つリト族やゾーラ族はどこか遠くへと旅立ったか、地下に古代都市を持っていたゴロン族は地底へ暮らしの拠点を移したか、想像の域を出ない。『スカイウォードソード』ではゴロン族が登場しているので、ゴロン族についてはそのまま大地や地底に残ったのかもしれない。

また、ラウルやミネル、ソニアに近しい人々も残ったのかもしれない。この点については、もはや妄想に近い想像をしている。かつて未来からきたゼルダ姫の侍従となった人物がいた。その人物は封印戦争後、ミネルよりゾナウ文明の技術によってつくられた空へ打ち上げることができる石を授かっている。この侍従はラウルやソニアをはじめとする王族に近い人物で、そのまま大地に残ったのではないかと考えた。
この一族はやがてゾナウ文明を元とする技術を研究し、ハイリア人が使いやすくなるように改良したのではないか、その技術はやがてシーカー技術として発展を遂げたのではないか、と想像を膨らませている。
ゾナウ族は女神ハイリアを信仰していると考えれば、そのゾナウ族にかつて仕えていた侍従の一族は女神ハイリアを同じく信仰していたと考えられる。女神ハイリアが再降臨した際、それに付き従うことはさほど不自然ではないだろう。そのはじまりが女神に仕えるシーカー族なのではないか、ということだ。またシーカー族の額にはゾナウ族の第三の眼を模したと思われる刺青がある。元々はゾナウ族を崇め、後に女神ハイリアに仕えたと考えれば、ゾナウ族に成り代わり、女神ハイリアにお仕えするという意志を表す刺青なのだろうか、そうして引き継いだゾナウ文明の技術をシーカー技術に発展させた。これは完全な妄想だが、侍従の碑文の解読がシーカー族の集落であるカカリコ村で行われるのはただの偶然か、というところだ。

さて、妄想はこのあたりにしよう。女神ハイリアは天地を託したゾナウ族が滅びたゆえに、再降臨し、大地を再生したというのが今回の仮説である。
その後について整理して、今回の感想文の締めとしたい。

トライフォースが人の手に渡った後の歴史

『スカイウォードソード』、それこそがトライフォースが人の手に渡った時代の始まりである。これまで発売されてきた多くの作品で登場するゼルダ姫の祖とされているのが『スカイウォードソード』に登場したゼルダで、彼女は女神ハイリアの転生であった。『ティアーズオブザキングダム』のゼルダ姫もこの子孫であると考えている。
つまるところ、ラウル・ソニアの子孫である古のハイラル王国の王族と女神ハイリアの転生であるゼルダの子孫がやがて結ばれ、新ハイラル王国が誕生し、両者の子孫たちの力を受け継いで現代に至ったと考えた。

この仮説については、『スカイウォードソード』の時点で、古ハイラル王国の人々はどこにどうしていたのかという問題がある。それを解決する決定的な根拠はないので、可能性があるものをひとつ挙げるとすると、彼らは地底を拠点としていたという説だ。荒れた大地から退却して、資源の豊富な地底へ拠点を移し、地底で発展を遂げたのではないかというものである。その間に女神ハイリアが再降臨し、一部は女神ハイリアに付き従い、終焉の者が現れた時は一部は天上、一部は地底へ避難したと考えた。これは完全に想像でしかない。
ラウル・ソニアが建国した古のハイラル王国は地底ハイラル王国になったというのは、大雑把な想像でしかないものの、ひとつの仮説として今後も考えていこうと思う。

ゾナウ遺跡群について(おまけ)
はじめゾナウ遺跡については、すべてがゾナウ族が遺したものであるという認識であったが、ゾナウ族が信仰される対象として捉えられるのならば、信仰する者によって造られた遺跡もあるとも考えられるようになった。今回の仮説では深く関わる話ではないので、この程度に留めておく。

あとがき

長文にお付き合いいただきありがとうございました。あくまで一個人の感じ方と思っていただき、みなさまにゼルダの伝説シリーズの時系列について想像して楽しんでいただければ幸いです。
まだまだ考えられることがいっぱいで『ゼルダの伝説』シリーズの奥深さを感じるばかりです。マスターワークスもまだまだ読みきれていない箇所が多いので、ゆっくり楽しみたいと思います。

ありがとうございました!

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流-ながる-
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