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きびなご

《きびなご》

ズルとか自分だけ得しようとか、そういったことは、ベクトルが一方的だから、ある程度オトナになればそれなりの人には「この人ズルしようとしてる」とか「自分の利益しか考えて無いな」とか伝わっているものだ。

なんならそのプロセスさえも手に取るようにわかってしまうので実につまらない。分かりきった答えしか返ってこないので飽き飽きする。
自己の利益だけを考えて行動することは全くもってクリエイティブでは無い。
真の創造とは、まっすぐに課題と向き合い、如何にしてより多くの人間に有益であるものを作りだせるかということだ。
それには人を思いやる気持ちと、失敗を恐れないこと。

たまに心無い人にうまいこと言われて良いようにあしらわれて心陰ることあれど、それは心無い人が悪いのではなく、心無いと知って近づいた自分がやはり当たっていた。というだけのことだ。
そもそも考えが違うので嘆いても仕方がない。
そんなことを嘆くよりも多くの人を幸せにする方法を考えたほうが、効率がいいし、コスパが良い。自分にとっても心穏やかである。

そうだ。

さて、このきびなごは一匹だとて、酒の肴には十分な味だ。
たった一匹のきびなごで酒を呑むことを寂しいだのわびしいだのいっているあたり、まだまだ物事の本質がわかっていないと見た。
たった一匹のきびなご。これをどう味わいながら酒を呑むか。
それを考えることこそ、創造を暮らしを豊かにするヒントだと私はおもうのである。

(我、此処ニ想フ〜初秋〜より抜粋)
*架空の書物です。
#写真で一節
#肴 #さかな #魚 #fish

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