見出し画像

【文章エディタ】「原稿用紙とゲラの想像力」から生まれたエディタ

※この記事は、KDPでの出版を念頭に作成中の『想像する文章エディタ(仮)』の一部(の予定)です。



前回は、90年代初頭の『ASAHIパソコン』誌の特集より当時の作家のワープロ/パソコンへの認識を参照しつつ、文章エディタに関する「想像力」のすれ違いについて考えました。

たとえば同じ「編集機能」の話をしていても、手書きの時代から行われてきた「推敲」を便利に行うための機能として捉える作家と、アナログでは不可能な書き方を可能にする機能として捉える作家がいる。両者の求める「編集機能」は同じではありません。

その違いを自覚しないまま「編集機能」の話をしてもすれ違うだけです。もちろんすれ違ってもいいのですが、それが「想像力」の違いであるという自覚がないと、単なる優劣の話に変化してしまうのです。現在のWordに対する評価などはその典型例だと私は思います。

今回も前回の続きです。デジタル過渡期の作家が自らの「想像力」を文章エディタのコンセプトに反映したお話です。

ここから先は

5,178字

アウトライナーのエバンジェリストTak.がお届けする、アウトライナー(アウトラインプロセッサ)を活用して文章を書き、考え、生活するマガジン…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?