「アウトライナー関連書籍」シリーズでは、現在入手が難しいものも含めて、アウトライナーを深く知るための書籍を紹介していきます。かつて「Happy Outlining」というサイトで公開していた記事のリライトが中心ですが、その後新たに出版されたものも含めて紹介していく予定です。
第5回はこちらです。
中野明『マック企画大全―ホワイトカラーの仕事革命」日経BP社、1996
例によって詳細目次の紹介です。この種の本の目次としては本当に「詳細」で、まさに「アウトライン」です。
ビジネス現場でのアウトライン・プロセッシング
著者の中野明氏は幅広いジャンルで活動するライターであり、いわゆるビジネス実用書の中でアウトライナーの意味と使い方のノウハウを継続的に紹介してきた数少ない書き手でもあります。
本書の出版は1996年。「アウトライナー関連書籍」シリーズで前回紹介した『マックユーザーのための「知」のコンピュータ活用術』とほぼ同じ時期です。
本書は一言で言えば「マックを使った企画作成術」。オリエンテーションから発想、データ収集、構成の検討、そして企画書の完成までのプロセスの中で、マックと各種ツールをどのように使うか紹介しています。そしてそのツールとしてアウトライナーが大々的にフィーチャーされています。
ビジネスの現場でのアウトライン・プロセッシングについてここまできちんと解説している本はあまりありません。個別のアプリの使い方や、インターネットでの情報収集のテクニックなどは今となってはさすがに無効ですが、発想し、企画し、企画書として完成させていくノウハウは今でも十分通用する内容です。というよりも、昔も今も類書は存在しないと思います。
個人的には、ライティング分野でのバイブルが奥出直人の『思考のエンジン』だったとすれば、ビジネス(というか、会社でのオシゴト)分野でのバイブルが本書でした。