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ワークショップ報告)2023年1月4日(水)「親子で縄文人になろう!火起こし&土笛つくり編」@大阪府能勢町

本日は、能勢なつかしさ推進協議会(https://togo-village.com/)が主催したイベントに講師として参上いたしました。


0.会場と参加者

会場は「懐かしさの杜」です。https://natsumori.jp/
築400年の古民家を改修して、宿泊や喫茶が営業されています。施設内に併設してフランス料理店もございます。
茅葺の古民家には、薪ストーブや「愛農かまど」、井戸水のお風呂もあります。

大阪府のほかに、兵庫県などから参加者(大人14人、子ども13人)が集まり、主催者3名のほかに講師1人とスタッフ2人でした。


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1.縄文人になろう!

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1-1.縄文人とは?

イベントの最初に能勢なつかしさ推進協議会の平田会長からご挨拶と縄文人、縄文時代のお話がありました。

「能勢町では7000~8000年前から縄文人たちがいた痕跡があるそうです。町内には遺跡が175ヶ所、古墳が156基も発見されている」とのことでした。

ウイキペディアによれば、、、

===引用ここから

縄文人(じょうもんじん)とは、縄文時代に日本列島に居住していた人々の総称。約1万6000年前から約3000年前まで現在の北海道から沖縄本島にかけて住み[1]、縄文文化と呼ばれる文化形式を保持していた。

===引用ここまで


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1-2.自分たちの身体に宿っている縄文

数集まりゲームをしながら、
それぞれの瞼、指紋、耳垢、噛み合わせなど、縄文時代に生きた人々の痕跡が私たちの身体にも遺されていることを感じながら遊びました。


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1-3.5つの縄文家族ができた!

4~6人ほどのチームに分かれました。

「縄」、「鏡」、「ドキドキ」、「どんぐり」、「誰にも負けないウルトラチーム」ということで、それぞれがチーム名を考えて、関わりも深まってきました。

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1-4.縄文化粧!!

部族のつながりやシンボルを手や顔にペイントしました。

それぞれのこだわりや、想いが溢れる楽しい時間になりました。

自分の顔は自分ではわからないのがミソ。


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2.土笛を作ろう!

縄文時代の遺跡から出土する本物を真似して、自分たちの手で土笛を作ってみました。

粘土団子に穴をあけて、息を吹きかけます。

なかなか鳴らない・・・。
そんな声も多くありましたが、私が吹いてみれば、ちゃんと鳴ります。

あれ?

子ども時代に、ビール瓶や鉛筆のキャップを吹いて鳴らして遊んだ経験が役立ちました。

カルマン渦というものがヒントになりますが、言葉や知識よりも、こういうのは身体性が大事です。

できるまでやってみる試行錯誤ってたいへんだけど面白いことには必須です。

1人ずつ作った土笛を薪の周りに並べていきます。


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3.火起こし体験

3-1.火の神話とお手本

火起師(ひおこし)大西琢也が世界各地の発火法や神話を語り伝えました。

そうして、実際に錐揉式発火法で薪に点火しました。

3-2.薪拾い

川を渡って、山へ薪拾いに行きました。
準備されたものだけではなく、身近にある自然の恵みをいただく喜びを知るきっかけになれば嬉しいです。

3-3.火起こし体験

いよいよチームごとに発火具を1セットずつ使って火を起こします。
大人も子どもも本気になって取り組む1時間。

煙もなかなか出ないチームもありました。

しかし、1チームで歓声があがると、他のチームもがぜんやる気が増します。

がんばれ!という応援にも熱がこもってきます。

そうして、交代しながら棒を回し続けて、温まってきたところで、
火の赤ちゃん(火種)が生まれてきます。

それは、まさに命の誕生と同じです。

炎になった様子は、何度見ても感動します。

掌の皮がむけたお父さんもいました、、、。がんばった!!

全てのチームが発火できてお昼ご飯になりました。


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4.昼食


持参した弁当に加えて、豚汁の振る舞いがありました。体も温まって美味しかった~。


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5.懐かしさの杜の見学

昼食後は、施設内の見学もしました。

築400年の古民家はそれがそのまま森のようなものです。

角材になっているものもありますが、そのまま曲がった梁があったり、茅葺屋根も見えていたりします。

縄文時代の人々は腐りにくい栗を建材に使っただけではなく、

土中に埋める部分は焚き火で焼いて炭化させて、さらに腐りにくくした工夫もしている事例があります。

古民家には縄文時代の竪穴住居にも通じる知恵があちこちにあります。

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6.縄文の宝探し

自然の中に隠されたものを探すゲームを通じて縄文人に少しは近づけたでしょうか。

子どもも大人も一生懸命でした。

身近な自然を観察し、気配を察し、活かしていけますように。

同じ場所でも何度も通ううちに、観えてくるものがあったようです。

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7.秘密のおやつ

焚き火の下に仕込んでいたサツマイモが焼きあがりました。

今回は、アルミホイルを使わずにできる方法の1つである「灰」に埋めてみました。


ホオなど大きな葉っぱでくるんだり、土や砂で埋める方法もあります。縄文時代には新聞紙もアルミホイルもなく、それでもいろんな知恵があったはずです。

在るから使うというのも良いのですが、
無いから生み出される知恵や工夫もあります。

ぜひ、アルミホイルを使わない焼き芋を広めていきましょう!

ちなみに縄文時代にサトイモはありましたが、サツマイモもジャガイモも伝来していませんでした。

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8.土笛の焼き上がり!!

陶芸の常識では、あり得ない手法ですが、1日で焼き物を仕上げます。


粘土で作った土笛を当日の朝に作って、午後までに焼き上げて、持ち帰ってもらいます。

今回は上質な広葉樹の薪や灰がたっぷりあって、
1つも割れることなくできあがりました。

個性的な模様や形の土笛ができて、それぞれの音色も違っていました。

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9.参加者の感想(抜粋)

・お化粧の色がいっぱいあったので、いろんな絵をかけました。

・火起こしは昔、若いころに「舞錐式」と「火打石」を経験したことがありましたが、木の先に凹凸をつけずに一瞬で火を起こした先生の手腕に感動しました。(私は豆がつぶれてやっとつきました。笑)

・子どもたちはもちろん、自分たちの物の見方の糧になる貴重な一日をありがとうございました。

・縄文時代には人が人間らしく、生きていた時代であったのがよくわかりました。また次回も参加できたら嬉しいです。

・ずっと楽しめました。がっつり参考になりました。

・土笛作り、最初は割れないか、音が出るか心配でしたが、久しぶりに土や粘土に触れて刺激的な一日でした。

・ずっと楽しみにしていた「縄文人になろう!」の日。本当に楽しくて勉強になる一日でした。

・これからもこういった企画(自然と共に生活することやサバイバル)などしていただけたら嬉しいです。

・土笛づくりがたのしかった。黒曜石がもらえてよかった。宝探しいっぱい見つけれてよかった。火起こしが楽しかった。

・子どもたちよりも大人がとても勉強になりました。

・火がこんなに短時間で起こせることに驚きました。土笛づくりも縄文時代のお話もとても興味深かったです。あとは土器がちゃんと鳴るかどうか、ドキドキ(土器土器!)しますが楽しみです。


・火起こしでなかなかつかなかったけど、初めてみんなで煙が出たときはとても嬉しかった。

・縄文時代の暮らしについて興味はあったものの、全くイメージできていなかったことに気づきました。憧れもありましたが、思ったより過酷で今の暮らしにありがたみも感じたのが正直なところでもあります。好奇心が大切だというお話を伺ってなるほど!!とこれからの時代を生き抜いていくために、恐怖よりも好奇心を大事に生きていこうと思います。

・見ているようでなかなか見つけることができず、何度も見に行っていろいろな角度から見る。行くたびに発見があり楽しかったです。


・遠い過去のことのように感じていた縄文時代だけれど、技術や方法は今の便利さよりも発展しているように感じたし、生活と結びついていて、関係が深いように思いました。

・火を起こしたりすることは、難しさや大変さを強く感じたけれど、それでも人間の小ささを実感したし、地球の中のごく一部分にしかすぎないんだと思いました。こんな生活を続けることはすぐには難しいけれど、少しずつ取り入れて五感を研ぎ澄ませる時間を過ごしていきたいと思いました。

・便利になった現代社会でなんだか皆が不安に促されている今日に、この縄文文化に触れることで生きる本質を再確認しました~。

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10.大西琢也の気づき、提案

参加していたお母さんとの対話の中で、

お互いに共感、共有できたことの1つは「全体性」です。

「部分ではなく全体像を物語として最初に感じ取る経験が子どもたちに必要である」

受け身の教育ではなく、ひとり一人が主体性をもって学び始め、深めていけるように。

アタマ優先ではなく、身体性を伴うことから気づいていけるように。

子ども達にどんな学びや関わりや場を手渡していけるでしょうか。

大人も試行錯誤しながら、共に在りながら、共に学んで、共に遊びながら、暮らしの営みを深めていけたらと思います。

縄文時代ならば?という問いを立ててみれば、身近なところに、種もヒントも材料もたくさんあると思います。

私もあらためて、深めていきたいと思う、年始のひと時になりました。
準備段階から企画実施まで、目配り気配り心配りをしてくださった坂井さんご夫妻ほか、協力してくださった皆様、楽しい一日を共に過ごしてくださった参加者の皆様に感謝です。

ありがとうございました!!

縄文人(の末裔)のみなさん、また遊びましょう!


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大西 琢也  TAKUYA ONISHI
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