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「コロナは風邪?」「コロナは怖い?」医者によって言う事が違うのはなぜ?

コロナの新規感染者は減ってきました。
3月6日の東京マラソンも、開催に向けて準備するとのことです。

世の中が少しずつ平時に戻りそうですが、
病院は発熱外来、コロナの入院診療、一般救急などなど
軒並み機能不全に陥っています。

そんな中、まだまだ誤解をしている人をよく目にしますし、
日々、上手な伝え方はないのかな?と悩んだりしています。

また同じ事!?と思うかもしれませんが、
自分のためにも、今一度まとめさせて下さい。

1.オミクロンは風邪であり、風邪でない。

1-1.若年者にとって、風邪(インフルエンザ程度)だよ!!

~ただ感染しやすさはインフルエンザ以上だよ!!~

若い人とっては風邪のような症状の人も多いですが、
ちょっとひどいインフルや、扁桃腺炎のような症状の方もいます。
では若年者にとっても、オミクロンはヤバいウィルスなのでしょうか。

2010-11年シーズンのインフルと、新型コロナ(ほぼオミクロン)の年齢階級別致死率の比較
※2022/1/29-2/10は99%以上がオミクロンです。

日本のオミクロンの致死率の推定値は、2月16日の厚労省アドバイザリーボードで公開されています。
2010-11年シーズンのインフルエンザと比べると、致死率は同程度か低いようです。またオミクロンではありませんが、コロナの後遺症について韓国からの報告ではインフルエンザよりは同等か低い、65歳以上の高齢者ですがアメリカからの報告ではウィルス性上気道炎より高いとのことです。

もっと多い気はするんですけどね!(汗)
いずれにしても若い人にとって、オミクロンがインフルエンザより酷いというデータはあまりありません。

とはいえ、これだけの感染対策をしている日本でも、感染が急拡大!
インフルエンザの感染力の3-10倍はあると思われます。
致命的になる可能性のある高齢者に、うつさないようにして下さい!!


1-2.高齢者にとっては、断じて風邪じゃないよ!!

~肺炎は軽くても、衰弱や多臓器不全になるんだよね~

とはいえ、インフルエンザと比べて・・・は若年者の話です。
高齢者は違います。インフルエンザとは比べものになりません。

2010-11年シーズンのインフルと、新型コロナ(ほぼオミクロン)の年齢階級別致死率の比較
※2022/1/29-2/10は99%以上がオミクロンです。

オミクロンでも70歳以上の方は、数十倍の致命率があるわけです。
医療崩壊初期の東京での数字ですから、現在の東京や大阪はもっと高いかもしれません。
高齢者はコロナにかかると、低酸素が進行するというより、急速に衰弱する印象です。
特に高齢者は「オミクロンはただの風邪」と言わず、感染対策と3回目のワクチンを接種して欲しい訳です。

2回目接種から6ケ月以上が経過した今の高齢者は、ワクチンの死亡抑制効果が40-70%と言われています。
3回目の接種をすると、死亡が80~99%回避できると言われています。


1-3.伝える相手によって、言葉を使い分ける必要があるから・・・

~分かって欲しい、混乱しないで欲しい~

テレビをみるとオミクロンは怖くないという医師と、まだまだ気を付けた方がよいという医師がいます。
結局、どちらも正解なんです。

要は伝える相手によって、言葉を変えなければいけないという事です。

第6波のコロナの伝え方・・・

ニュースは若者も高齢者も視聴します。
しっかり人によってコロナの考え方、対応の仕方を変える必要がある旨を伝えて欲しいと思います。

「コロナは風邪」という年配者も、自粛が過ぎる若者も、違うと思います。
ですが日頃から高齢者と接する方は、感染しないように気を付けて下さい。

ちなみに仕事で高齢者と接する自分は、家族と離れて一人暮らし、スーパー引き篭り生活を送っています。
やや自粛が過ぎるのかもしれません(笑)


2.少し付け加えると・・・

2-1.まだデルタが消えていない!

今までの話は、オミクロンの場合です。
ですが、東京では、日本では、まだデルタが存在しています。

東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(2022/2/17)~変異株PCR検査について

東京都のコロナモニタリング会議の資料からですが、
今の東京は0.5%弱が非オミクロン株~おそらくデルタです。
最後の一押しなんですが、なかなかゼロにはなりませんね。

国立感染症研究所のゲノム解析の実施状況(2022/2/14)

そして日本全体では、国立感染症研究所の分析によると6%弱がデルタなんです。
昨年12月よりもデルタ株の陽性数は少ない訳ですが、
じっさい埼玉や大阪で、若年者が重症化・死亡したとの報道もあります。
まだまだ強毒の変異株もいるわけで、油断ならない事実もあります。


2-2.ステルスオミクロン(BA.2)って・・・

文献もほとんどなく、分かっていることは多くありません。
2月16日に国立感染症研究所がまとめてくれている事を要約します。

・感染力が強い事
通常のオミクロンと比べて1.46倍の再生産数と算出。

・世界各国で、BA.2への変異株の置き換わりが起きている事
2022年2週6.0%⇒4週15.6%(国際ゲノムデータベース)
2021年最終週20%⇒2022年5週85%(デンマーク)
2022年1月24日5.1%⇒2022年2月6日18.7%(イギリス)

・ワクチン効果はオミクロンと変わらない?

・治療薬の効果は、まだ分からない。

・重症化・死亡リスクも、まだ分からない。

昨年12月中旬に初めてオミクロンの市中感染が確認されて、そのあと感染のピークが訪れたのが今年2月上旬。
とすると、2月中旬に市中感染が確認されたこのBA.2株も、4月の上旬の頃に第7波として感染のピークが来るかもしれません。


2-3.相変わらず救急医療はダウンしているよ!!

そして医療機関、特に救急医療はダウンしています。
それはコロナに限ったことではありません。
そしてその傾向は、全国的なようです。

厚労省のアドバイザリーボードから、コロナ・非コロナの搬送困難事例の推移をみてみます。

コロナ疑い及び非コロナ救急搬送困難事案数/週、全国

見て分かる通り、昨夏の第5波の2倍近くの搬送困難事例が生じています。
そしてそれは、コロナに限ったことではないのが分かると思います。

ちなみに昨夏の第5波は、
コロナ病床が一杯でコロナ患者の受け入れが困難になりました。

ですが第6波は、医療従事者の感染による人手不足に加え、院内感染により入院制限となり受け入れ困難となっているのです。
なので全国的に、コロナ以外も受け入れ困難となっています。

感染者・重症者数、救急搬送困難事案数のトレンド(全国合計)

ただこれは地域差があって、
愛知・奈良・大阪・福岡はコロナの搬送困難例も多いみたいです。

しばらくこの傾向は続くと思います。
コロナだけではなく、救急車のお世話にならないよう、
体調管理に気を付けて下さい。

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