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AIの向こう側
AIの進歩がすさまじい。
いや、誠実かつ正確に記すならば、AIの進歩がすさまじいらしい。らしい、と書いたのは、その進歩がどれぐらいすさまじいのか、僕自身がわかっていないからだ。
もちろん僕もChat GPTは有料のプログラムで使っているし、ずいぶんと助かっている。だけどそれはあくまでも、「受け手として、ユーザーとして」恩恵に預かっている範疇のことで。
AIの向こう側には、AIを考え出し、テクノロジーやシステムを構築し、流通・経済を大きく動かし、国家戦略を緻密に組み上げ、未来をデザインしてる人たちがいる。
とんでもなく優秀で、力のある一握りの人たちは、ルールを決める側にいる時点で「圧倒的強者」であり、彼ら/彼女らのイメージしたルール、システム、思惑、利害、そういったものの中で生きている。
あ、僕が「こちら側」であることについては気にしていない。
だたAIの向こう側の人たちの描いている「景色」があまりにもグローバル過ぎて、最先端過ぎて、未来的過ぎて、戦略的過ぎて・・・、僕にはイメージすることさえできない。その状況のままなのがなんとなく、きつい。実際問題、スマホを無くしたら大慌てする自分がいる以上、テクノロジー無しに生きていくのは難しい。僕は時代の流れに適応するしかない。
こういう時、つい「もし宇宙人が地球に攻めてきたら」を考えてしまう。
100%近い確率で負ける。理由は簡単で、宇宙人は地球を侵略しに来るほどのテクノロジーを既にもっていて、地球人は宇宙のどこかの星を征服できるほどのそれを持っていない。
「向こう」はこっちを考えているけど、「こっち」は向こうを考えていない。その時点で、能力の差は数万光年くらい開いている。勝負にすらならない。少しでも向こうに学ぶしかない、
黒船をみた瞬間、「勝てない」と直感した吉田松陰はやっぱり正しい。
AIの向こう側。
そこにも人がいる。その事実だけは忘れずに「テクノロジーに使われる人間」から、「自覚的にテクノロジーを使う人間」に少しずつシフトしていきたい。
・身体を動かす、は人の権利でもある。