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主語が変われば

少し前まで、かなり孤独な執筆作業が続いていた。

前作の『強さの磨き方』のテーマは、短く言うならば、「強さを磨くヒントはどこにでも見つかる」だった。

推し、憧れ、ライバルも、
嫉妬、不安、孤独、飽きやすさも、
遺伝子も、知識も、感動も、

なんらかの意味があり、それらは「強さ」につながる。だったらそれを「生きる」方向に使った方が、もっと生きやすいんじゃないか?

そういう投げかけだったと思う。だからいろんなことを調べたり、知ってる人に聞いたり、ディスカッションしながら、つくっていけた。

今秋の新作は、方向性は同じではあるが、趣が異なる。

読んでくださる方の運動のレベルアップを、
かなり本気で目指した作品だからだ。

「日本のパフォーマンスを向上させる!」と大風呂敷を拡げてみたいところだけど、やっぱり等身大、分相応ということで

「会った人のパフォーマンスを向上させる」くらいにしておこう。

それゆえ、新作は自分の身体との対話が多かった。ひたすら身体に問い、医学に問い、パフォーマンスの中で何かを見つける。こたえを外に求めず、試行の中で得た感覚を医学的背景と共に言語化していく作業だった。

だから本当に「孤独な執筆作業」だった。
そして孤独から逃げては上手くいかないだろう、という感覚もあった。パフォーマンスが向上するのは、自分自身から逃げないときだから。

その成否は新作発売後に読者に委ねるとして、

面白くなってきたのは、原稿を書きあげてからだった。

「いつかこの人たちと何か創造してみたい!」

と思っていた皆さんに声をかけたら、みんな2つ返事、即答で協力してくれたのだ。

「どんな人が、どんな協力をしてくれたか?」については後日、noteで発表するとして、そんなみなさんとの共同作業がもたらす最大の意義は、

「主語が変わる」ってことだ。

僕の書ではなく、僕らの書になる。だから、

こんなにGIVERマインドにあふれた人がいる。
心がホッとするようなイラストを描く人がいる。
素朴で飾らない美しさを感じさせる人がいる。

僕のモチベーションは「僕の本を読んで欲しい」から「素敵な人たちをひとりでも多くの人に知ってほしい」にレベルアップする。

これは最高にエキサイティングな変化だ。

主語が変われば、全てが変わる。

志を共にしてくれたみなさんに、心からの感謝を。







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