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売れるもの、売れない物
ちょっと大それたタイトルでスタートしてしまいました。相当久しぶりにnoteを書いてみようと思い立ちました。muracoの代表の村上です。
「売れるもの、売れないもの」と書いたところで、僕がそんなものをわかっているのであれば、第一コーナー直前でフルブレーキングしているような、昨今のアウトドア業界の中でもmuracoは爆走しているはずなので、ここにそのタイトルの答えがあるわけではありません。なので、思わずタイトルに釣られてしまった方は、この冒頭で離脱してください。すいません。
アウトドア業界はコロナ禍の「蜜を避ける」ブームで、最盛期となりましたが、コロナが明けると共にそのブームが落ち着いているような状況です。我々も一年ほど前から厳しい状況に入っています。さらにmuraco事業部だけでなく、当社の一方の柱である製造事業部も今年は数字が厳しく、全社として中々ハードな日々を過ごしています。生まれたばかりのドッグアクセサリーブランド「Gris」は売上は伸ばしている物のまだまだ会社を支えるまでのインパクトは出てきておりません。
muracoの現状
2016年9月に産声を上げた「muraco」ですが、早いもので今年8年目を迎えています。ブランド立上げから見返しても、事業運営としては今年が最も厳しい一年であることは間違いない状況です。主には資金繰りの部分で、それが故に攻め手や、アイデアはあってもそれを行使できない状況が続いています。
広告宣伝、イベント、展示会出展、高額な仕入が発生する商品開発などは経費が嵩む割に成果が直ぐに出ない為、大筋ペンディングと決めていますが、そんな中でも今この現状でも打ち込める数少ない打ち手をスピード感を持って打ち込んでいる状況です。日々様々な課題がアラレの様に降り注いできていて迅速な経営判断が必要です。精神的に堪える日々ですが今のところ乗り越えられる算段を組んでいます。
「スマッシュヒットアイテム」
そんな苦境の最中のこの6月に、muraco立ち上げ以来、最も早く完売した商品が誕生しました。このnoteは同業者も多く見ていただいているので、商品名は伏せますがそんなに大々的にPRしていないにも関わらず、予定数の200個を事前予約と卸先様の事前注文でほぼほぼ完売しました。ちなみにその商品は再度入荷予定があり、現在9月末から10月上旬のデリバリーを目指し動いていて、その追加入荷分は7月中旬から予約受注を開始しました。(それももうあと数張で完売となりそうです)
しかし、この商品は大型テントのような高単価の商材ではないので、この商品だけでこの苦境を脱するような、例えば#FR2を率いる石川涼さんの109で立ち上げたブランド「VANQUISHのシブヤスカジャン」程の威力はありません。しかしながら、この商品のお陰で大きな気付きを得られました。
muracoらしく
このプロダクトは他ブランドではあまり持っていない商材です。且つmuraco以外が出したとしても上手くいくか微妙なプロダクトだと感じています。我々はそもそもアウトドア業界で唯一モノトーンのブランドコンセプトカラーを掲げていて、業界内でも自然と独特な雰囲気を持っていると思います。
一番初めに作ったブランドのコピーにも「既成概念を超えて」という一節を入れているほど、既存のアウトドアブランドとは違う存在として認識されたいと思い続けてきました。我々にとって「アウトドアブランドっぽくないですね」というお客様からの声は褒め言葉でもあります。人材もアウトドア業界経験者は皆無ですし、金属加工工場から立ち上がったブランドという事実も、特殊だと思います。
特に金属加工工場から生まれたブランドだという部分は、muracoのアイデンティティに強く影響をもたらしています。
工場が強み
自社工場運営は、敷地・設備投資・人材投資など事業運営の費用的リスク要因です。小規模零細事業者でも、例えば当社レベルの小さい工場でも、これを立ち上げようとすると、ざっと見積もっても5億円程度の事業投資が必要で、それに付帯する年間維持管理コスト、人材開発のコスト、それ以上に膨大な年月に蓄積されたノウハウが存在します。
それが故にこの投資をくぐり抜けてきた我々だからこそ持てる強みが存在します。
50周年記念Tシャツのグラフィック
実は今年2024年は我々株式会社シンワの創業50周年にあたる年になります。50周年の周年系のイベントなどは予算削減により実施予定はないのですが、何か少ない経費でmuracoのファンの方にも触っていただけるものがないかと考え、記念のTシャツを作ることにしました。そのTシャツはホワイト、ダークグレー、ブラックの3種類あり、その色毎に違う英単語をプリントしています。
ブラック「Unusual」"普通ではない、ありきたりではない"
ホワイト「Neutral」"中立性、先入観、経験値を除去し取り組む"
ダークグレー「Singular」"唯一の、非凡な"
アウトドア業界にいながら異質な存在で居続けたいという思いを3種類の単語に込めました。
muraco的ヒット商品を生み出す為に。
そんなことを考えながら事業運営していると、やはり我々の生きる道は2つだと気付かされます。
1:他がやっていないことをやる(やっていてもやり方を変える)
2:自社工場の強みを活かした事をやる
既存に存在している商品ジャンルだとしても、きっと我々のブランド感を通して作り込んだものが、需要があるのに掘り起こせていないものになるのではないかと思っています。我々が事業を始めた頃は黒いテントなど、どこも出していませんでした。当時は相当批判も浴びましたが、今となっては様々なブランドの黒いテントを見るようになりました。アウトドア大好きな僕もmuraco立ち上げ前は、赤とか黄色とか緑とかの色でテントのサンプルを作っていました。事故的に黒い色のテントに行き着き、そのままmuracoとして駆け出して行きました。これも既存に存在している商品ジャンルでもmuracoとして出したものです。
※その辺りのストーリーは以下の記事を是非。
具体的には、もう少し成功のための要素は他に何項目か存在し、それはここでは言えないのですが、冒頭で書いたスマッシュヒットアイテムが大きなヒントとなり、再度振り返り見直すことができました。
そして今、新しいジャンルの商品開発を進めています。既存のブランドも存在していますが、今の我々の立ち位置、企業規模、取引先ネットワークなどを総合的に見て、思いの外新しいチャレンジになると判断しました。
ようやく先ほどサンプル制作のオーダーを入れましたので、サンプルが日本に届き次第、僕のInstagramで上げようと思います。是非チェックしてください。
頑張ります。