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『モティベーションをまなぶ12の理論』(鹿毛, 2012)

色々あって何かとマネタイズしたかった頃に始めたこの有料note。正直あまり性に合わないことが分かったのだが,マガジンに書いた約束通りの額にたどり着くまでは細々と続けようと思う。

こちらの本の内容をざっとさらって,できれば「ちょっと自分で買って読んでみようかな」と思ってもらえるぐらいの感じで書きたい。

「自己流」を抜け出そう

1章ずつ順に紹介されている12の理論のうち,一番最後,Theory 12で紹介されているのが「パーソナルセオリー」だ。
パーソナルセオリーとは「実践に使用する持(自)論」(p. 336)である。

教師ならほとんど誰しもが「どうしたら生徒のモチベーションを上げられるだろう?」という疑問・悩みを持っているだろう。そしてそれは往々にして疑問・悩みだけでなく自分なりの答えを伴う。その自分なりの答えが,(実践に使用されていれば)パーソナルセオリーだ。
しかしその類のセオリーはあくまで素人の経験から導き出したものであり,科学的に積み上げられたセオリーを学ぶことで相対化することが望ましい。

実践家にとって,理論のための理論を学ぶのではなく,持(自)論との擦り合わせのために,理論があると思っていただくのがよい—つまり,モティベーションのパーソナルセオリーが独りよがり,独断にならないために,ある程度多数の理論にふれる必要がある。(pp. 346-7)

まさに私がこの本を手に取ったのはこの目的である。私自身,自分の日頃の学習やこのnoteの執筆,筋トレ(突然飽きたけど,もう一度始めるべきだと感じている自分もいる),YouTube投稿(徐々に飽きてきて,現在完全に止まっている)など様々なことへのモチベーションを自分で観察して,独自の理論を築こうとしたり,断片的に切り取ってクラスの生徒にアドバイス・・・・・として話すこともあった。
しかし,僕の経験上の語りだけではあまりに心許なく,モティベーションについて学術的な内容を(多少薄くても)広く学びたいと思った。
そして12の理論を学べば,おそらく「結局どうしたらいいかよく分からん」という状況に一度陥るだろうと考え,それを望んだ。
「人のモチベーションとはこうだ!」と安易に言い切ってしまわないように勉強したかったわけだ。今私はモチベーションについて何も語る力を持たないかもしれない。

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