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AIプロダクトで実践したPSF・PMF検証と今後の展開

こんにちは!
IVRyでAIプロダクトのプロダクトマネージャー(以下PdM)をやっている神山です。
このnoteでは、去年ローンチしたばかりのIVRyのAIプロダクト「AI電話代行サービス」について、これまでのプロダクト検証の進め方と、今後の展開について綴りたいと思います。


簡単に自己紹介

22年11月にIVRyに入社。
前職はRettyで、飲食店向け集客プロダクトのPdM兼、スクラム開発におけるPOとして働いていました。

IVRyに入社後はAIプロダクトを担当し、去年1年でいくつかのプロダクトを世に出しました。

プロダクトを作ったり、作ったプロダクトを売ってみたり、売ってみたら改善してみたりしている人です。

AI電話代行サービスとは

昨年リリースしたAI電話代行サービスは、電話問い合わせをAIオペレーターが音声で受付け、受け付けた問い合わせ内容をチャット等に通知するサービスです。

従来の人が行う電話代行を、AIオペレーターに代替することで安価に電話対応ができるように設計しています。

AI電話代行サービスの対話イメージ

10月末にリリースした頃から反響があり、これからさらに伸ばしていきたいプロダクトです。

PSF検証フェーズの完了

AI電話代行サービスのプロダクト検証は、GUIを作る前にAI対話部分(AIオペレーターが音声で問い合わせや予約を受け付ける部分)を作り、
ソリューションが顧客の課題を解決できるのか?売れるのか?(プロブレム・ソリューションフィット、以下PSF)を検証するフェーズからスタートしました。

昨年末からセールスメンバーがテストセールスを行い、結果的には事業数値的にもほぼ計画通りの立ち上がりできている状態です。

導入を決めていただいた顧客にヒアリングすると、評価いただいている部分は概ね以下の2点に集約されます。

①問い合わせ内容に応じて応答方法をカスタマイズできる
②既存の電話代行サービスよりも圧倒的に低価格

①問い合わせ内容に応じて応答方法をカスタマイズできる

既存の電話代行サービスだと種別を問わず全ての問い合わせを一次受けするのですが、IVRyでは問い合わせ内容に応じて対応方法をカスタマイズすることが可能です。

例えば、営業部への問い合わせは電話転送して欲しいけど、カスタマーサポートへの問い合わせは一次受けしておきたい、というような業務ユースケースにフィットしたニーズを叶えることが可能です。

AI対応以外に電話転送やSMS送信などで応答することが可能

②既存の電話代行サービスよりも圧倒的に低価格

2点目は、他社と比較して圧倒的に安く提供できている部分です。
競合サービスはスタッフが電話代行しているのでコスト構造的に安くしにくいですが、IVRyはAIオペレーターが対応するため低価格が実現できます。

このように顧客からの定性的な評価でもPSFしている感覚が持てたので、今後更なるスケールを狙える状態が見えてきました。

PMF検証フェーズへ

テストセールスによってAI対話部分のPSFが見えてきたので、
PMFの証明に向けてスモールビジネスの事業者がセルフオンボーディングやライトオンボーディングで使いこなせるか?の検証するべく、GUIの開発を行い2月にリリースしました。

一般的にAIを使って業務設計を行うことに慣れている事業者(特にスモールビジネス)は多くはないため、AIの対話テンプレートを作成してその中から選択できるようにすることでシンプルさを担保しました。

AI受付のテンプレートを選択する画面

テンプレートから選択するだけのシンプルなUIにしたので、業務ユースケースが複雑化していない事業者の場合、数十秒で設定が完了できていたりします。

そして先述の問い合わせ内容に応じて応答方法をカスタマイズできるようにするために、従来のIVR機能とAIの機能を融合して設定できるUIと進化しました。

 ボタンプッシュとAI受付の組み合わせイメージ

従来のボイスボットサービスでは、大手法人向けに作り込んで高価な価格で提供するサービスがほとんどでしたが、
誰もが手軽に設定したり操作できるUIを作って安価に提供することがIVRyのミッションの「最高の技術を「全ての企業」に届ける」の実現につながっていくと考えています。

IVRyのミッション

今後の展開

今後、AI電話代行サービスをよりスケールしていくためには、大きく3つのテーマを置いています。

①管理画面の設定UXの磨き込み
②ユースケースの拡張
③外部サービスとのAPI連携

①管理画面の設定UXの磨き込み

GUIリリースにより顧客自ら設定・編集できるようになったものの、土台ができただけでセルフオンボードやライトタッチオンボードを実現するにはまだまだUXを磨き込む余地は多分にあります。

今後はお試し導入いただけるようにフリートライアル機能を作ったり、顧客が迷わずに導入できるようにUIの使いやすさを改善していく予定です。

②ユースケースの拡張

現在のAI電話代行サービスでは、エンドユーザーからの問い合わせ要件をAIオペレーターがヒアリングすることに留まっています。

AI電話代行サービスの営業資料

これだけでも従来の電話代行サービスで提供しているものと同等の価値はありますが、今後は、商品の注文,サービスの申込や解約などの問い合わせを受け付けられるようにAIが受け付けられるユースケースを拡張し、幅広い業種の事業者に使っていただけるようにしていきます。

最終的にはありとあらゆる問い合わせをAIが対応する世界を作っていきたいです。

③外部サービスとのAPI連携

AI電話代行サービスは一次受けサービスなので、AIが問い合わせを受け付けた後でスタッフが折り返し連絡を行うプロセスが発生することを前提としております。

要件をヒアリングする段階の業務効率化は実現できますが、後工程の折り返し業務が発生しないように自動化できるとさらに価値が高まります。

例えば、現在IVRyではリクルートさんと飲食領域で予約台帳との連携を行っておりますが、このように予約の希望を一次受けするだけでなく、予約が完結する世界を作っております。

今後は上記の飲食領域だけでなく、ホテルや病院のような業種と台帳を連携したり、ECサービスとの商品在庫連携を行うことでより利便性の高いサービス展開を行なっていきたいです。

最後に

いかがでしたでしょうか。
IVRyではプロダクト開発の基本通りに、どう社会実装していくのか?を愚直にやってます。この愚直な改善が大きな市場を作ることにつながってると僕らは信じています。

一方で、やりたい世界観や速度に対して人が足りていないですし、まだまだかなり基礎的なことすらできてません。そんなプロダクト・事業開発をエンジニアリングやデザインの角度から一緒にやっていきませんか?

IVRyに興味ある方はカジュアルにお話ししましょう!




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